Wデート age7 ページ17
結衣Side
蒼井結衣,12歳。初めてのデートに遅刻しそうです。
花日「あ,いた!彼処!」花日の声で顔を上げると,前方右手の木製ベンチに男の子がふたり,ひとりは座って,ひとりは立っているのが見えた。まりんの家での支度に手間取って,約束の時間をオーバーした私と花日は,折角のお洒落が台無しにならないように気を付けながら,限界ギリギリでダッシュしていた。花日「高尾ーーーーー!」私の前を行く花日が,たーっと高尾の元へ走って行く。我が友人ながら花日は可愛い。もしあのおしりにわんこのシッポがついていたら,きっと全力でふりふりしてるんだろうな・・・・・・。その無邪気さが,私には眩しく見える。彼氏の高尾はも言えば,花日に余裕の微笑みを向けている。高尾「・・・・・・うん,可愛いよ」どうですか,この花日が放つ「察してオーラ」に気付いて,コーデとヘアをすぐに褒めてあげる大人っぷり。言われた花日も「えへへ」って素直に喜んでいる。このふたり,すっごくお似合いだな。ちょっと見とれてしまう。一方,桧山はといえば・・・・・・。桧山「・・・・・・遅い」だよね。ごめん。結衣「支度に時間かかっちゃって・・・・・・その」あまりにじっと私を見ているので,落ち着かなくて思わず聞いてしまう。結衣「ひ,桧山・・・・・・あの,なにか変,かな?」服がふわふわしすぎてる?リップの色が濃かったかな?ヘアアクセが似合ってないとか?頭の中で高速ダメだしをしていると,桧山がぷいっとそっぽを向いた。あわわわわ。どーしよう。もう帰りたくなってきたよー・・・・・・。と,思ったら。桧山「・・・・・・・・・いーんじゃねーの」ぼそっと言われた。あれ・・・・・・桧山の顔,赤い?褒められたんだ,って気付くのに少し時間がかかって,私の顔も時間差で赤くなる。高尾のソツのなさはステキだけど,私には桧山の言葉の方が何百倍も嬉しい。いよいよWデート開始。でも,私達はまだ,心のスタート地点でもじもじしていた。
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時