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キス・キライ・スキ age14 ページ20

下校時間にはもう,雨が降り出していた。傘をさして花日とふたりで校門を出ると,外はかなり暗くなっていた。お気に入りのテレビ番組の話をぽつぽつしながら歩いて,家の近くまで来た所で,私は立ち止った。結衣「・・・・・・どうしよう」花日「え?」つられて足を止めた花日が,きょとんと私を見上げた。結衣「うち,お母さん居ないから・・・・・・」そう口にしたら,花日はすぐに察したみたいだった。花日「そっか,お姉さんは?」結衣「お姉ちゃんは,ほとんど征兄さんの家に行ってるから,滅多に帰って来ないんだよね。お父さんに話すの,やっぱり恥ずかしいよ。でも,先生に貰ったアレ,すぐなくなりそうだし・・・・・・。どうしよう。ひとりで買いに行くの,怖いよ・・・」他のうちの子は,困ったらお母さんに頼ることが出来る。でも家にはお母さんがいないし,お姉ちゃんは彼氏である征兄さんが一人で暮らしている家に帰っているから助けてもらいにくい。でも,お仕事を頑張っているお父さんを,こんな事で悩ませたくない。家のお父さんはすぐに自分を責めるタイプだから,私が生理の事で困ってるって知っただけで「これだから男親は」って落ち込んじゃう。だから,それだけは避けたいんだ。花日「・・・・・・やろう」私の話を黙って聞いてくれた花日が,ぽつりと呟いた。花日「ふたりで・・・・・・アレ,買いに行こう!」アレ,の部分だけを小声にして,そう言い切った花日の瞳は,使命感に燃えている。結衣「良いの・・・・・・?」花日「うん!」即答だった。このいきなりの申し出は,凄く,凄くありがたかった。でも私は心の何処かで,花日ならそう言ってくれるかもしれないって,多分少しだけ期待していた。甘えちゃってごめんね。そして有り難う,花日。花日「じゃあ,一旦家にランドセルとか荷物を置いて,また此処に集合しない?」花日の提案に頷きながら,ふと思い出して私は聞いた。結衣「でも,ちゃんと買い物出来るかな?えっと・・・花日,ひとりで買い物した事・・・」花日「コンビニもお母さんかお姉ちゃんと行く!」・・・・・だよね。そうだったよね。堂々と胸を張って言い切られてしまった・・・・・・。この秘密の買い物ミッション,大丈夫なのかな?ちょっと・・・・・・ううん,かなり・・・・・・不安になってきてしまった。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...  
作成日時:2022年9月23日 20時

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