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キス・キライ・スキ age13 ページ19

結衣Side

トイレで動けなくなった私,蒼井結衣の代わりに保健室まで走って,先生を呼んで来てくれたのは花日だった。そこからはバタバタで,事情を知った保健の先生が着替えを持ってきてくれたり,教室に置いたままのランドセルを花日が保健室へ運んで来てくれたり,ベッドで休んだりした。柔らかい布団にくるまれて,目を瞑ったらいきなり意識が飛んだ。次に壁掛け時計を見たら,長い針が進んでいた。15分くらい寝てしまったみたい。トイレで感じた気持ち悪さは消えたけれど,まだちょっと頭がぐらぐらする。ベッドの枕元に花日がいて,心配そうに覗き込んでいた。結衣「ごめんね」私が寝ている間も,ずっと付き添ってくれていたんだね。トイレで心愛ちゃんに色々言われてるのが聞こえたのに,私は自分の体に起きた大事件にショックを受けて,助けに行ってあげられなかった。結衣「花日,ごめん」花日「なんであやまるのー」花日は,訳が分からないよというように笑った。こういう所,花日は凄いなって思う。懐が深いというのかな。嫌な事があっても元気をキープして,自分以外の人間の為に,当たり前のように動いてくれるの。だるい上半身を起こしたら,それに気付いた保健の先生がやってきて,ベッドのわきに腰掛けた。先生「蒼井さん,はい」薄いカバーにくるまれた生理用ナプキンをひとつ,手渡された。さっき使い方を教えて貰ったのと同じものだ。ああ・・・・・・私とうとう,生理になっちゃったんだ。クラスの中でも早い子は,去年から始まってるという噂はあった。お姉ちゃんとさつきお姉ちゃんもそのひとりだ。保健の授業でも習ったし,私も背が高い方だから,もうそろそろかなとは思っていた。だけど,実際になってみると・・・・・・。自分の体に起きた大事件に,不安や恥ずかしいや,他にも色んな思いが押し寄せてきて,居た堪れなく(いたたまれなく)なってしまう。結衣「・・・・・・ごめんなさい」俯いた私に,先生は優しく語り掛けた。先生「蒼井さん。生理が始まるのはね,女の子の体が女性になる準備を始めたって証拠なの。嬉しい事なのよ。全然恥ずかしくないんだからね」そう説明されて,少しだけ心が軽くなる。でも・・・・・・。急に暗くなってきた窓の外を見ると,灰色の雲が空一面に広がって,直ぐにも雨粒が落ちてきそうだった。・・・・・・なんだか,今の私の心みたい。手の中のナプキンを見つめて,私はそっとため息をついた。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...  
作成日時:2022年9月23日 20時

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