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𝒩𝑜.39〜コクハク〜age2 ページ47

結衣「は?そっちこそ,絶対見ないでね!覗かないでね!」
桧山「誰が見るか!さっさと入れ!」
蓮華「あんた達,喧嘩しないの!と言うか,犯罪になるから」
赤司「そもそも,女湯覗いたら犯罪になるから」
ぷいっと私はそっぽを向いた。もう,本当に頭に来る!征兄さんとお姉ちゃんは真面目だな。
折角の大きなお風呂なのに,一翔せいでちっともリラックス出来ない。
首に掛けたままの鎖の輪の先に,大切な家の鍵が付いていることを確認する。これだけは,いつも肌身離さず持っているお姉ちゃんから譲り受けた私の心のお守り。握り締めると,ほんの少しだけ気持ちが落ち着いてきたけれど・・・・・・。
結局,お湯の中に顎まで沈みながら,私はムカつく一翔の事ばかり考えていた。入浴をすませてお姉ちゃんと脱衣所で体を拭いていると,広い洗面台の隅に一冊のノートを見付けた。表紙に「お客様ノート」と書かれている。
興味本位でぺらぺらとめくって見たら,それはどうやらお客さんが自由に書き込みをする為の連絡帳の様だった。そういえば,ノートにはボールペンが添えられている。
蓮華「まだ,あったんだ。お客様ノート。久々に何か書こうかな・・・・・・」
結衣「お姉ちゃん,書いた事あるの?」
蓮華「ええ。気になるんなら何か書いてみたら?」
結衣「そうだね。お店からの返事もあるし,私も書こうかなぁ」
お姉ちゃんとふたりで湯冷ましにタオル一枚で暫くノートを眺めていたら,向こうからバタバタと走って来る足音が聞こえた。
「ボク,こっち入るー!」
小さい男の子の元気な声に続いて,「ダメだっつってんだろ!」という声と,「お願いだから,待ってくれ。俺が殺されるから!」という声が聞こえて来て,いきなり女湯のドアが開いた。
「わーい!一番風呂ー!」
「待てって!!」
「俺が殺される!!」
飛び込んで来たのは幼稚園くらいの男の子と,その後ろから・・・・・・一翔!?征兄さん!?
桧山&赤司「あ・・・・・・」
そうなんです。私達,まだ服を着ていません・・・・・・でした・・・・・・。
結衣&蓮華「うあぁぁああああー!!/いやあぁぁぁあ!!」
この,ご近所迷惑な叫び声は,はたして私達のものだったのか・・・・・・な・・・・・・。
はい。ふたり揃ってしっかり見られてしまいました。
結衣「死にたい・・・・・・」
その後,魂を口から半分はみ出させながら,そんな感想を「お客様ノート」に書くしかない私なのでした・・・・・・。
お姉ちゃんは既に感想を書いてたので,私みたいな事を書く必要がありませんでした・・・・・・。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 キセキの世代(−赤黒)「相...  
作成日時:2023年10月22日 23時

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