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𝒩𝑜.30〜キス・キライ・スキ〜age30 ページ38

先生に許可を貰ったまりんと花日が,私を保健室まで連れて来てくれた。
お姉ちゃんから貰った痛み止めの薬を飲んで,お腹をあっためたら,腹痛はだいぶ楽になった。
まりん「少しは落ち着いた?ほんっと,男子ってガキすぎるわ」
まりんの言葉に,花日が頷く。
花日はしょんぼりして言った。
花日「結衣ちゃん,さっきはごめんね。具合が悪いのに大騒ぎして・・・・・・」
違うよ。花日は私の為に怒ってくれた。嬉しかったよ。
結衣「花日。・・・・・・ありがとう」
花日「ううん!」
さっき,五時間目の終わりのチャイムが鳴った。保健の先生にOKを貰ってあるから,少し休んで私が動けそうなら教室に戻って,三人で下校しようってことになった。
その時,保健室のドアが開いた。
入って来たのは,体操着のままのトモヤと委員長,エイコーの悪巫山戯トリオ。それからエイコー達につられて騒いだ男子が何人か。
途端に,まりんと花日の顔付きが険しくなる。
まりん「あんた達,何しに来たのよ!」
花日「まだ何かあるの!?」
花日が私を庇うようにベッドの横に立った。私もベッドの上で,拳をぎゅっと握り締める。
すると委員長と他の男子ふたりが,ランドセルをずいっと出してきた。
結衣「それ,私の・・・・・・」
まりん「こっちは,私の・・・・・・」
花日「これは,私の・・・・・・」
トモヤが口篭りながら説明した。
トモヤ「高尾と緑間それに青峰が,持ってけって・・・・・・」
花日が,高尾の名前にぴくっと反応する。
花日「高尾が?」
トモヤが頷く。何時もの悪ガキっぷりがまるで嘘みたいに,真面目な表情だ。
トモヤ「・・・・・・ごめん」
結衣「え?」
トモヤ「生理が,そんな痛いってわかんなかった。ごめんな,蒼井」
委員長が何処で用意したものか,サッと「謝罪」と書かれた紙を出す。それに合わせて,横一列で並んだ男子が一斉に頭を下げた。
隅っこでひとりだけ不満そうに膨れていたエイコーを,まりんが軽く叩いた。
まりん「ごめんなさいは?」
エイコー「いってーな。ふん,悪かったよ!」
ぞろぞろと出て行く男子の姿を見送りながら,まりんがため息をついた。
まりん「まったく・・・・・・彼奴ら・・・・・・」
結衣「でも,うちのクラスの男子にも,良い所があるんだね」
私がそう言うと,「まあね」とまりんは肩を竦めた。
まりん「高尾,ランドセル持ってけって言ってくれたんだ」
結衣「優しいよね」
私達の会話の間も,ずっと黙っていた花日は,
花日「・・・・・・ごめん。やっぱり今日は,一緒に帰れないかも」
何かを決意した顔で,いきなりそんな事を言った。

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作成日時:2023年10月22日 23時

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