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𝒩𝑜.20〜キス・キライ・スキ〜age20 ページ28

二十分後,私達は近くのドラッグストアに潜入していた。
私の前にいた花日は,生理用品売り場の商品棚を見てメモを取っていたけれど,お客さんの姿に気付くとサッと身を翻して戻ってきた。
花日「種類,いっぱいありました!フツーの日,多い日,セール品,ありました!」
ビシッと敬礼した花日につられて,私も作戦本部長の気分になる。
結衣「よし・・・・・・じゃあ,セール品で!」
花日「了解!」
私の言葉にごくりと唾を飲んで,花日が売り場とレジを交互に見た。
今回のミッションはこうだ。
売り場に鷹のように舞い降り,一瞬でセール品を掴んだらレジへダッシュ。その後直ぐに戦線を離脱!作戦の所要時間は,推定一分三十秒。
どうですか,この完璧な計画・・・・・。
ダッシュで間合いを詰めた私達は,お目当ての商品をガシッと掴むと,レジへの一本道をひた走った。
さっきまでイケメン風なお兄さんだけだったレジに,もう一人オバサン店員が入ってきた。
花日「チャンスです!レジにおばちゃん店員がヘルプに入った,今がチャンス!」
結衣「ふたりで突撃だーーーー!!」
花日「オーーーーーー!」
結衣「さあ,レジへ!」
花日が叫んで私が頷く。作戦完了間近!最大難関のレジが目の前に・・・・・・!
その時自動ドアが開いて,真正面からおばちゃんの集団が流れ込んで来た。
おばちゃん「あらー,安いわよお,これ!/あらっ,ホントだわホントー」
進軍するおばちゃん軍団に,まず花日が行く手を阻まれてしまった。
花日「わあぁああ!」
結衣花日いぃぃ!
私の伸ばした手を,花日が掴み損ねる。そのまま人波に飲まれてしまった花日が,最後の言葉を振り絞った。
花日「構うな!私の屍を越えていくんだ!!」
ありがとう花日。勇気がある我が戦友よ。君の死は,決してムダにはしない!
(※注意:ドラッグストアで買い物をしているだけです)
結衣「うぉおおおーーーー!」
大事な事なので,もう一度言います。
(※注意:ドラッグストアで買い物をしているだけです1,雄叫びと共にレジに飛び込むと,ピッとバーコードが読み取られ
,液晶画面に税込価格が表示された。それを確認した私は,全力で五百円玉をレジ台に叩き乗せる。
つ,ついに・・・・・・ミッション完了!
店員「ありがとうございましたー」
店員さんの声が,のんびりと店内に響いた。

次回は,花日Sideです!

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作成日時:2023年10月22日 23時

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