𝒩𝑜.9〜キス・キライ・スキ〜age9 ページ17
ところが･･････。桧山だけが心底嫌そうに眉をひそめて，こう言った。
桧山｢蒼井のパンツとか，ぜんっぜん見たいと思わねぇ｣
結衣｢はあ〜〜〜〜！？何その言い方！｣
桧山は何故か私にだけ当たりがキツい。私が何かすると，すぐ文句をつけたり，偉そうに意見を言ってきたりする。だからつい，私も桧山にイライラして怒ってしまう。
まあ，私がどんなに怒っても桧山は涼しい顔で，ちっとも反省してくれないんだけど。お姉ちゃん曰く，そういう所はお兄さんの征兄さんにそっくりらしい。
その時，廊下に置いてけぼりにしていた花日が，後ろから声を掛けて来た。
花日｢結衣ちゃん。そろそろ･･････｣
もうすぐ休み時間が終わってしまう。チャイムが鳴る前に席に着かないと。
結衣｢今行く！｣
花日と一緒にその場を離れた私には，後に残された男子達が，どんな会話をしていたかなんて，
トモヤ｢てか，蒼井って蓮華や桃井並に大人っぽいよなー｣
トモヤが鼻の下を伸ばしてそう言うと，いきなり桧山の表情が険しくなっだ。
トモヤ｢桧山，何時も蒼井に怒られてていーなー｣
トモヤが
エイコー｢今度スカート履いてきた時，捲ってやろうぜ｣
な？とエイコーが言った瞬間，桧山がキシャーッと威嚇した。
エイコー｢え･･････ごめん･･････｣
ウケ狙いが逆目に出た男子達は，理由もわからず謝るしかないのだった。
桧山達と別れた後も，私はまだ怒っていた。
結衣｢男子って，何であんなに子供なの？｣
花日は｢うーん｣と，苦笑いで首を捻っている。
クラスの男子が子供過ぎる件は，女子の間ではとっくに共通認識になっているけれど，｢どうして｣とか，逆に｢どうやったら大人になるのか｣とかいう問題には，困った事にまだ正解は出ていない。きっとこれからも，上手い答えなんて出ないだろう。お姉ちゃんだったら，もしかして上手い答えを出してくれるかもしれない。
12歳女子は，友達からどう見られているか気にするし，イヤがられるようなことはしないように自然と身に付ける ものだけれど。男子は仲間内で直ぐにヒートアップして，自分たちが女子からどう見られるかなんて，ちっとも気にしない。
？｢蒼井！｣
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作成日時：2023年10月22日 23時
