12歳〜ちっちゃっなムネのトキメキ〜(アニメ沿いver.)vol.3 (ページ13)

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𝒩𝑜.5〜キス・キライ・スキ〜age5 ページ13

移動教室明けの休み時間。
結衣ちゃんと廊下を歩いていたら，少し先にまりんちゃんとAちゃんがいた。
花日｢一緒に教室戻ろうよ｣
うん，と頷いて四人で歩いていると，まりんちゃんがしみじみと言った。
まりん｢あー，遂に私達も六年生かぁ｣
結衣｢でも良かったね。また四人一緒のクラスになれて｣
A｢ね〜！｣
結衣ちゃんとAちゃんがにっこり笑う。
小学校最後の一年だもん，大好きな友達と過ごせるのは，私だって嬉しい。
だけど，でも･･････。
結衣｢どうしたの，花日。元気ない？｣
黙ってしまった私に気付いた結衣ちゃんが，背中をかがめて覗き込んできた。
気が付いたらもう，クラスの前の廊下まで来ていた。
窓の傍に高尾が立っているのが見える。そしてクラスの中でも特に女の子らしい一団が，高尾の周りにくっ付いて，楽しそうにお喋りしていた。
花日｢何で何時も，私を馬鹿にするんだろう｣
私の視線の先を追った結衣ちゃんは，ああ，と納得したみたいだった。
結衣｢高尾の事か･･････｣
A｢モテるよね，あれは｣
したり顔のまりんちゃんが，人差し指をくいっとあげた。
まりん｢勉強も運動も，何でも出来て格好良い。征兄やテツ兄と並んで，女子人気，ただいまナンバーワン！｣
花日｢格好良い･･････かなあ？｣
結衣｢花日はそう思わない？｣
結衣ちゃんに聞かれて，私は｢うん｣と頷いた。
皆は口を揃えてそう言うけど，高尾のどこを見て｢格好良い｣って決めてるんだろう。窓際に立つ高尾は，他の子より背が高くて，誰よりも背筋がすっと伸びていて，ただそれだけを見れば，ああきれいだな，とは思う。──でも。
花日｢高尾ってなんか･･････何考えてるか，よくわんないもん｣
他の女の子には優しいのに，私にはちっとも優しくない。直ぐに揶揄う(からかう)。
やっぱり女子だと思われてないから，なのかな？
その時だ。
｢きゃあああ！/いやぁ！何すんのよ！？｣
｢何してるんだ(黒笑)？｣
｢イグナイト，逝きますか(黒笑)？｣
｢こ，怖ぇ〜｣
｢な，なんてことをしてくれたのだよ｣
教室に，いきなり高い悲鳴が響いた。
声の方を見れば，廊下近くにいた蓮華お姉ちゃんとお姉ちゃんが，スカートの裾を押さえて真っ赤になっていた。その近くには，やばい雰囲気を漂わせた征十郎お兄ちゃんとテツヤお兄ちゃんがいて，その二人の傍に怯えた様子の大輝お兄ちゃんと真太郎お兄ちゃんがいた。