・ ページ18
・
北斗「A、よっ」
入院中最も退屈な時間帯である日中を共に過ごしてくれるのは今も昔もほっくんという存在
昔は同じ小児科で言わずもがな部屋も近くてしょっちゅう一緒に行動してたからまだ小児科には入れなかった蓮よりもよっぽど兄妹らしかった私たち
どこかへ行くときはほっくんが必ず手を引いてくれて、私が治療や検査から逃げ出したときには何も言わずにかくまってくれたのももちろんほっくん
家には男兄弟しかいない私にとって歳上のお兄ちゃんほど居心地の良い存在はいなくて
当時から歳の差がひとつだけとは到底思えないほどしっかりしていたほっくんは病院で生活する上での絶好の適任だった
北斗「今日は検査何時？」
「今日はお休みー、でも明日がさ､､､」
私の反応で察してくれたのか、はたまた枕元に貼られた検査のスケジュール表を見たのかはわからないけど
北斗「ああ、明日カテなんだ」
さすが、同じ境遇のほっくんはすぐに分かってくれた
北斗「､､やっぱりまだ怖い？」
「うーん、どうなんだろう､､何気に久しぶりだし」
ごまかすように笑う私をほっくんは苦い顔で眺めてる
北斗「A？必要な検査だからやんなくていいよとはおれからは言ってあげられないけど
怖い気持ちとか不安なことはいくらでも聞いてあげるし、おれならその気持ちも受け止められるよ？」
ほっくんの言葉はいつも優しくて温かくて、強い
「､､もう何年も前のことなのにね、なんで克服できないんだろ」
北斗「Aが真面目に向き合って闘ってる証拠だよ、乗り越えることも必要かもしれないけど、おれはその気持ちも受け入れてあげればいいと思うよ」
そう、私にとって検査をする上での一番の難関は心臓カテーテル検査
足の付け根の血管からカテーテルを入れて心臓の状態を調べているらしい
物心ついた時からその検査自体は何度も受けてきていて今思えば昔はそんなに怖い意識もなかった気がするけど
転機は確か小学2年生のころ
それまでは滝沢先生が全身麻酔でやってくれて、寝て起きたら終わってるっていうイメージで、強いて言えばそのあと動けなくてやだなってくらいだったけど
その時の検査は滝沢先生が急患対応におわれていたみたいで急遽私の検査は私の少し苦手なおじいちゃん先生によって行われた
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kururinmikuru83(プロフ) - 今日初めて拝見させていただいて一気に見てしまうほど好きなお話です‼︎ぜひ家族のハナシ2の夢主の最期までのお話を見たいです‼︎これからも応援しております！ (2022年6月6日 20時) (
レス) @page15 id: 3384233ff6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜月 | 作成日時：2021年12月29日 14時
