ねぇねぇりっちゃん2【あんスタ】 (ページ17)

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元々私とりっちゃんは仲が良かったわけじゃない。

隣に越してきた同い年の男の子は
いつも一人でいてつまらなそうにしていた。

私がなにか話しかけても
冷たい態度を取られてしまう。

まだ幼かった私はりっちゃんのことを
少し怖いと思っていた。

そんなある日。

『おい立花あ、お前いつもおどおどしてちゃんと喋れねーのか？』

昔から人見知りが激しかった私は
クラスの男子からからかわれることが多く
それもまたおどおどしてしまう原因を作っていた

『おい無視すんなよ！』

『弱虫～！』

｢は、はなして！！！｣

咄嗟に掴まれた手を払おうとしたが
小学生にもなると男子の力には到底かなわなかった

それが好意による物ともその時は分からずに。

(嫌だっ、怖いよ誰か！！！)

両目にひっそりと浮かべた涙が
今にもこぼれ落ちそうになった時だった。

教室には私と彼らしかいないはずなのに
知らぬ間に知っている男の子が怪訝そうにこちらを見ていた。

｢人が気持ちよく寝てるのに安眠妨害なんだけど｣

眠たそうに目を擦りながらこちらに近づくと
彼は口を開いた。

｢集団で女虐めるなんてダサいんだよ｣

『ﾁｯ、なんだよ転校生のくせに』

『行こうぜ』

彼が鋭い目付きを突きつけると
逃げるようにいじめっ子達は教室を後にした。

私はまた目の前にいる彼に少し怯えながら
勇気を振り絞り声出した

｢あ、あの、さっきは助けて貰って、、｣

｢あんたもおどおどしてないで言いたいことはっきり言わなきゃまたいじめられるのからね。｣

｢ふぇっ、あ、ごごめんなさい。｣

人の気分を害しては行けない
周りをよく見て行動しなきゃ行けない

昔からそんなことばかり考えてた私は
人と上手くコミュニケーションが取れなかった、

だから彼にまだ恐怖心を抱いている私は
しっかりとお礼が言えなかったのだった。

｢こういう時はごめんなさいじゃなくてありがとうでしょ？｣

何故か彼は私を見て少し呆れたように
笑った。

初めて見る彼の笑顔に私はつい心踊ってしまう

｢あ、あありがとうごじゃいましゅっっ！！｣

勢い余って舌をかんでしまった私を見て

彼また少し笑いながらこう言った。

｢変なやつ、｣

それから私は彼をりっちゃんと呼ぶようになり

大切な大切な幼馴染となったのだ。