い ページ4
適当に授業をこなして、お昼休みになった。
ずっとチョコをお昼休みまで貰い続けた一ノ瀬君は流石にもう疲れたらしく、廊下に呼ばれても「どっかに入れといて」と言って、教室で座っていた。
「一ノ瀬君、いつもお昼御飯食べてる……相川君と坂田君と浦田君とは食べなくていいの？」
いつも一ノ瀬君が教室でお昼御飯を食べると言うことはなく、その人達と食べていたはずだ。
「彼奴らといるとまた貰うから……それに彼奴らも今頃逃げ回ってるだろうし」
そう言えばさっき女子達が『王子様がいない！！』とか騒いでた気がする。
「一ノ瀬君は逃げ回んないの？」
「俺はここにいるの……ずっと思ってたけど、Aいつもご飯ぼっちなの？」
意外に酷いこと聞いてくるな。
「ううん、いつも一緒に食べてる子達は逃げ回ってる王子さん達を追い掛けてるから」
彼氏持ちか他に好きな人がいない限り、ほとんどの人達は王子さん達に渡すのだ。
私の場合は一ノ瀬君だからここにいるのだけど。
「ふーん……」
一ノ瀬君は学校に来る途中で買ってきたと思われるメロンパンを食べながら、何故か此方をずっと見ていた。
「なんか顔についてる？」
「ううん……Aが誰にあげるのかなーってずっと考えてた」
確かに仲がそれなりに良ければ、誰にあげるのか気になるものだ。
あげるなら今かもしれない。
「一ノ瀬君ちょっと目閉じて」
「ん」
バッグから義理チョコのマシュマロを出す時に本命のチョコも一応覗く。
「え、」
驚きの声が少しもれる。
「どうしたの？」なんて一ノ瀬君が聞いてくるので、「大丈夫、ちょっと待って」と平然を装って言う。
バッグに入っていた本命のチョコレートケーキはぐちゃぐちゃになっていた。
そう言えばバッグは皆が歩く外側にかけていたし、その時に誰かが蹴ってしまったのかもしれない。
チョコレートケーキは崩したくなかったから、バッグの中でも一番上に入れていたがそれが裏目に出てしまった。
自分の過ちなのに。
私は泣きそうになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星花アリス(プロフ) - 高瀬そのさん» コメントありがとうございます！高瀬そのさんをきゅうきゅんさせられて良かったです(*´ω｀)これからも面白い小説が書けるよう頑張りますね(っ`･ω･´)っ (2018年2月18日 12時) (
レス) id: bdc813ca79 (このIDを非表示/違反報告)
高瀬その(プロフ) - 1話1話のお話がきちんと纏まっていてとてもきゅんきゅんするお話でした！面白かったです(*¨*)！ (2018年2月18日 0時) (レス) id: 65bf0fa5b4 (このIDを非表示/違反報告)
星花アリス(プロフ) - 菌(・∞・＊)さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただけているなんて、嬉しい限りです(*´ー｀*)しっかりまとまったお話が書けるよう、これからも頑張っていきます！長文嬉しかったです！がんばりますo(｀・ω・´)○ (2018年2月15日 11時) (レス) id: bdc813ca79 (このIDを非表示/違反報告)
星花アリス(プロフ) - 笹乃葉さん» コメントありがとうございます！笹乃葉さんがグハッってなったなら、書いたかいがありますねw最高だなんて……此方こそ読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m (2018年2月15日 11時) (レス) id: bdc813ca79 (このIDを非表示/違反報告)
星花アリス(プロフ) - はるさん» お久しぶりです！コメントありがとうございます！面白いって言っていただけて嬉しいです！はるさんの作品読んでみたい、切実に(*・ω・)これからもがんばりますo(･ω･´o)(o｀･ω･)o (2018年2月15日 11時) (レス) id: bdc813ca79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
