26:ポートマフィア幹部の小さな彼 ページ26
あの後、中也は自室で1人項垂れていた。
気絶していたワカナは芥川に任せて。
黒で統一された部屋の
グラスの中で赤紫色に輝く液体の独特な香りが鼻腔をくすぐった。
「...ッチ」
本日17回目の舌打ち。
中也の脳裏にはユリが浮かんでいた。
尋問をされていながらも、喚かずにじっと耐えていた彼女の姿。
半悪魔と名乗り薄ら笑みを浮かべる彼女。
それ等を思い出す度に舌打ちを零していた。
「あの女......」
ユリが云っていた"大罪の器"と呼ばれる物。
中也には見覚えがあった。
少し前のこと、首領である森からきいていたのだ。
ある路地裏に顕在する
「エルフ......か」
コンコン
中也の脳内を遮断させた
扉の外に居る構成員は落ち着いた声で中也の名を云った。
「中原様」
「なンだ......」
「首領がお呼びです」
「......直ぐに行く」
帽子を手に持ち胸に添えると森が居る執務室へと入った。
其処には、尾崎紅葉と芥川が立っている。
また、腰かけている森の傍らには、エリスが満面の笑顔を浮かべながらマカロンを口にしていた。
「
怪しげな、意味深な笑みを浮かべながら森は云った。
「今回、君たちに集まってもらったのはワカナのことだ」
蒼月ワカナ。
森の義理の娘である。
ポートマフィアの者ならしらない者はいないだろう。
「!!真逆......」
紅葉が目を見開いて袖を口元に寄せた。
中也と芥川は未だ分からないようで疑問符を浮かべる。
「あぁ。お察しの通りだ」
「済みません、首領
ワカナが如何したのですか?」
「っ、分からぬのか。
っはぁ......ワカナを、マフィアから追放するのじゃ」
「っ?!」
「ッ......」
「ッ、どうしてですか!ワカナが、何を......!!」
混乱しているのだろうか、声を震わせながら芥川が苦しそうに問う。
対して森は笑顔を保ちながら芥川を見据えていた。
「私も厭なのだけれどね......
彼女が頼んできたのだよ」
『失礼致します。
ポートマフィアの方々......』
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syunra(プロフ) - はーいw頑張りますねー! (2017年5月22日 22時) (レス) id: 47a0da064c (このIDを非表示/違反報告)
紅茶アールグレイ - ウチもユリみたいに異世界旅したい。切実に。あっ変なこと書いてすいません。面白いです。更新頑張ってください。 (2017年5月22日 21時) (レス) id: 0f3022c873 (このIDを非表示/違反報告)
syunra(プロフ) - 申し訳ありません。また修正しました。ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありません。 (2017年5月19日 16時) (レス) id: bc7e1d9e17 (このIDを非表示/違反報告)
syunra(プロフ) - ありがとうございますw (2017年5月16日 22時) (レス) id: 47a0da064c (このIDを非表示/違反報告)
紅茶アールグレイ - 丁寧なご説明ありがとうございます。分かりやすくまとめてくださりありがとうございます。これからも更新頑張ってください。 (2017年5月16日 22時) (レス) id: 0f3022c873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダーインスレイヴ | 作成日時:2017年4月13日 19時