力。87。 ページ37
.
時が過ぎるのは早いと思う。
どんなに大きな事が起きようとも過去は過去。
一秒前の出来事は過去もうなのだ。
人の記憶は酷く脆く、あやふやだ。
完璧に忘れないことなんて絶対に無い。
絶対に、だ。
今日、君が履いた靴下。
どこで買った？いくらだった？
なんて…全ては些細なことである。
無駄な情報と判断され消される。
大事な思い出を貯めて置くために。
わかばパークでの二週間。楽しかった。
けれど、重要か？と問われればそうでも無い。
昨日の晩御飯よりは大切な記憶で、それらは
母さんや茶トラさんの記憶より大切じゃない。
だから、昨日の晩御飯の後に……
｢一緒に遊んだ三つ編みの…名前何だっけ｣
消えちゃう。
自室のベッドに寝転ぶ。
肌に擦れるスベスベのシーツが好きだ。
三つ編みのあの子の名前は思い出せない。
｢また消しちゃったのかい？｣
何か、に問いかけても無反応。
無視とは僕、さみしーな。
しゅる、と僕の��指��から細く出る 何か 。
僕はそれをくるくると指に巻き付ける。
じんわりと暖かさが指を包む。
……今は僕と繋がる細胞な訳だし、暖かくても不思議ではないか。
｢痛いよ｣
ガジュガジュと脳みそを食べられているみたいでそれはもう痛くて仕方がない。
何か、に痛いと訴えても痛みは引かない。
｢あれ、僕…わかばパークで何をしたっけ…？｣
わかばパークは子供の集まる場所。
遊んだかな、寝たのかな、何をしたのだろう…
消えちゃった。
｢そう言えば、明日はテストだ｣
軽く復習しておこう。
そう思い、学習机に向かう。
パラパラと教科書を流し見していく。
あれ………
｢僕…こんな所知らない……｣
目の前には知らない英単語がズラリと並ぶ。
この数式も…文法も…政策も、化学式も…
基礎がやんわりと分かる程度だ。
そんなこと、名門、椚ヶ丘では通用しない。
二週間、勉強をしていない皆よりも、
もっと酷い結果になるのは目に見えている。
駄目だ…そんなことあってはならない。
｢勉学は消さないでおくれよ〜……｣
そう、事態の大きさに反する様に緩く言った。
でなければ簡単に涙が出そうだった。
僕はシャーペンを握りしめた。
ガリガリと筆圧が濃い字がノートに並ぶ。
焦りから冷や汗が止まらなかった。
｢母さんにも、父さんにも、あの人にも…｣
顔向け出来なくなってしまう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
黒のカーディガン
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポテトチップス(プロフ) - おりーぶ@裕理さん» ですね〜一生の謎です (2017年5月13日 12時) (
レス) id: 594c977afd (このIDを非表示/違反報告)
おりーぶ@裕理 - どう育てれば兄妹仲良くなるんでしょーかね？w (2017年5月13日 11時) (レス) id: c44e0cdbfc (このIDを非表示/違反報告)
おりーぶ@裕理 - 私の家は自由に育てられたのでそういうのが出たんでしょうかねwww幼稚園の自由さがやばかったですよw山があり屋内プールがありwwwwクラス数多すぎですw (2017年5月13日 11時) (レス) id: c44e0cdbfc (このIDを非表示/違反報告)
ポテトチップス(プロフ) - おりーぶ@裕理さん» 私にもいますよ〜男兄弟と仲のいい妹ちゃん。どう母さんが育て間違えたんでしょーね？？くそぅ… (2017年5月9日 21時) (レス) id: 594c977afd (このIDを非表示/違反報告)
おりーぶ@裕理 - 友達に私と同じ四人兄弟でお兄ちゃんたちと仲いい末っ子の子がいるんですけどねえ〜wほんと羨ましいですよwwwなんでこんなに違うんでしょうねw (2017年5月9日 21時) (レス) id: c44e0cdbfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ポテトチップス | 作成日時：2017年4月14日 18時
