自由になるために。

力。68。 ページ18

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｢さぁ、正体を見せなさい！｣

｢…！あの人って…烏間先生の！｣






ヘルメットが取られ、顔を見せるこそ泥。
その正体は烏間先生の部下…。

どうして…。






｢どうして貴方が………にゅやっ！！｣

｢はぁっ布！？｣






タコを覆うように白い布が出てくる。
高確率で対センセー繊維か。

んな事出来るのは…国か、シロしかいない。





｢チッ…｣





聞いてないっつーの…
本当にイラッとくる。

彼はきっと頭の切れる策士なのだろう。
だが、やはり気に食わない。





シロがいるなら…



｢イトナっ！！｣





イトナはタコが入っている布で囲われた
フィールドに入っていく。

狭く、逃げ道を無くしてじわじわ殺していく。




戦いが激しすぎて何も聞こえない。
布に隠されていて様子も伺えない。

くそっ…どーなってるんだい…





｢うおっ…！！｣

｢…ひ、かってる？｣






辺りを広く照らす明るい光。
小さな爆発が起きた。


対センセー繊維の布は吹き飛び、
イトナはタコに抱えられていた。


お、わったのか？





イトナが心配だったので彼に駆け寄った。
が、イトナは身を捩りタコの腕から落ちた。





｢い、痛い…っ脳みそが…裂けるっ！！！｣

｢…イトナっ！？イトナ！！｣







頭を抱えて地面で蹲るイトナ。
目は血走り、苦しそうに踠く。





｢…度重なる敗北のショックで、
触手が精神を蝕み始めたか｣

｢おいシロ！！｣






此処いらで見切りを付けなきゃいけない、
そう言ってシロは去っていった。

ふざけるなよ…。




見切りって何だよ。
それでも保護者かよ…

イトナを利用出来るだけ利用して…


絶対に許さない。





｢…ッぐぅ！！｣

｢イトナっ、イトナ！｣






バンッっと触手で地を弾き、
イトナはどこかへ行ってしまった。

駄目だ…あの状態じゃ、危ない。

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