ぼくたち、かいません？ “JW” (ページ3)

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会社１のモテ男ページ3

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「佐野！早くお茶出せ！」

「 …はい、ただいま」

「はあ、ただでさえ華無いんやからそれくらいさっさとしろや。」

「すみません」

うるさいねん、ハゲが。

…なんて口が裂けても言えないけど。

怒りを抑える為に

軽く五回はあのハゲのカツラを取って、

皆の前に掲げて高々に笑う自分を

頭の中で妄想する。

その妄想で心を落ち着かせ

自分のデスクに戻れば、

カランカランと隣のデスクから

リズム良くイスを転がし現れたのは

？「 …大丈夫か？」

「あ、山田さん」

山「あのハゲ最近奥さんと上手くいってないからイライラしてんのよ。」

何もしなくても麗しい顔を

綺麗に緩めてふふっと笑うのは、

先月東京の本社からうちの課に来た

山田涼介さん。

年齢はさほど変わらないけど、

イケメンでかつ仕事もスマートにこなす

山田さんはこの会社１のモテ男である。

山「ほい、これ」

「 …っえ？」

山「嫌さ、俺ブラック飲めねぇのに買っちまったのよ。佐野たしかブラック好きっしょ？」

「 …ありがとう、ございます。」

山「こちらこそ、ありがとう。」

何て和やかで楽しい時間は

「おい佐野！これ30枚コピー。」

直ぐに終わるもので。

「今行きます！」

ああ、今日も残業決定だ。

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