▲38 ページ10
岡本の寂しげな横顔を見ていると、この間の涙がフラッシュバックする。
そんな顔、二度と見たくなんてなかったのに。
国｢っ、岡も…｣
名前を呼ぼうとした、俺の声を押し込むように、岡本が｢でも｣と強めの口調で被せた。
貴｢そんなに知ってられるものじゃ、ないと思うよ｣
国｢えっ…｣
貴｢……国見くんのことだってそう。
最初っから国見くんがどういう人か知ってたわけじゃないし、
お世話係になったからって分かったわけでもない。
教えてくれたから、分かっただけ。｣
国｢それは…っ……｣
俺もそうだ、と言おうとしたが今はその言葉は飲み込んでおいた。
貴｢この前みたいに、私には分からないことだって当然あると思う。
なんでも分かるなんて嘘。
私は国見くんに、教えてくれたことしか分かってない。だから…｣
国｢待って｣
岡本は、えっ、と小さく声を上げてそのまま黙った。
国｢俺も、勝手に決めつけてた。岡本には分からないって、分かるか分からないかなんて話してみてからじゃないと言えないことなのに｣
貴｢……｣
国｢俺の身勝手な理由で、岡本のことを沢山傷つけた。
それをずっと謝りたかったんだ
本当に ごめん……｣
貴｢私だって、自分の思い込みで泣いてしまって……
そのせいで国見くんを困らせてしまった。
本当はもっと早く言いたかったけど、
ごめんなさい…｣
結局、お互いに謝るだけで誰からも、いいよ、なんて言われなかったけど
それでも、心には自然と安らぎが戻ってきた。
俺たちが話している間、静かにカレーを食べていた金田一から、よかったな、と言われた。
その言葉は、俺だけじゃなく岡本にも言っているような気がした。
国｢あ……カレーなくなった｣
金｢おいおいw 気抜けすぎて、無意識に黙々とカレー食べてたのか？｣
貴｢おかわりは、あるからね。言ってくれれば入れてくるよ｣
国｢……いや、いいよ｣
貴｢そう？じゃあ、ご馳走様？｣
国｢うん。ご馳走様ー｣
金｢もう寝るのか？｣
国｢いや、まだここにはいる｣
金｢そうか…分かった｣
国｢岡本はまだマネージャーの仕事あるの？｣
貴｢うん、夕飯の後片付けとかね。あとはまだ私だけお風呂は入れてないから入らないと｣
国｢そうなのか…大変だな。マネージャーも｣
貴｢今更だけどねw｣
国｢そうだなw｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千尋(プロフ) - 完結おめでとうございます(*･ω･ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁくにみんかわいい(*´ч`*)そして、かっこいいm9(+ゝω･´+)ｶｯｺｲｨ───ｯ☆今までお疲れ様でした。これからも頑張ってくださいヾ(ﾟ▽ﾟ*)>ﾌﾚｰ!!ﾌﾚｰ!!<(*ﾟ▽ﾟ)ﾂ (2018年3月24日 15時) (
レス) id: 0733cf80bf (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐／月斗。(プロフ) - 伊勢天さん» ありがとうございます！！ (2017年11月26日 13時) (レス) id: 2102dbe1ea (このIDを非表示/違反報告)
伊勢天 - 面白いです！ (2017年11月26日 7時) (レス) id: 7c89436af4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月斗。 | 作成日時：2017年10月22日 8時
