○ ページ35
「こ、これ、銃兎さんが作ったんですか……!?」
「えぇ、一応。こんなものくらいしか作れませんからね」
意外にも銃兎さんは料理が苦手な様子。
パスタ系は比較的簡単なため作れるけど、カレーやら肉じゃがやらは作れないらしい。
本人には言えないけど、正直ちょっとかわいいなと思った。
「さ、どうぞ召し上がれ」
「はい!! いただきます!!」
私の好きなミートソースのパスタ。
お腹がすいていたこともあり、初めの一口は多めに巻き取り口に運ぶ。
「どうですか?」
「えっ、めちゃくちゃ美味しいです。本当に料理苦手なですか?」
「まぁ、パスタはまだ簡単な方ですから。でも、貴方の口にあって良かったです」
安心したように笑う銃兎さん。
嬉しそうなその表情を見ると、銃兎さんがいかに不安だったのかが伝わってくる。
そこまで考えてくれていたなんて、本当に優しいなぁ、この人は。
雑談を交えながら、あっという間に食べ終えた。
デザートに、と用意してくれた林檎ゼリーを食べていると、そう言えば、と思い出したように銃兎さんが口を開く。
「夏頃、私が風邪を引いた時、貴方が看病してくれたそうですね。何か不便はありませんでしたか?」
「あー、特には……」
頭に浮かぶのは、例のポケット付きのボクサーパンツ。
余計なことを思い出したな……
すっかり忘れてたのに。
「……強いて言うなら、風邪薬がどこにあるか分からなかったことですかね」
「あぁ、それならそこのラックの上に……って、届きませんかね」
「ひどいな。いや確かに届かないけども」
確かにあの時、ラックの辺りも探してみたけど、上の方は届かなかったから諦めたんだ。
けどまさか、ちょうどそこにあったなんて。
てか思わず誤魔化しちゃったけど、ちゃんと聞いた方がいいのかな……
一応、もう関係ない話でもないんだし。
48人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おたくちゃん - ゴハァ(吐血)最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω`)この物語、大好きです! (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月斗。 | 作成日時:2020年12月17日 7時