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暖かい風が、頬を掠める感覚。
寒空の下に居たはずの体がぽかぽかと暖かいものに包まれてるのが分かって目を開けた。
「やっと起きたか」
「へ……えっ、銃兎さん？ 私」
「ったく、面倒な手間増やしやがって……あれぐらいで気絶するか？ 普通」
どうやらここは銃兎さんの車の中らしい。
体を包む暖かいものは、私が銃兎さんに巻いたマフラーだった。
そうか、私気絶したのか。
銃兎さんの膝の間で。
「そ、それは、どうも……すみませんでした」
穴があったら入りたい。
なんだ、気絶って。
子供にも程がある。
恥ずかしすぎて死にそう……いや、死にたい。
死んだ方がマシだ。
これは一生笑われるぞ。
「……私も、少々疲労で判断が鈍りましたね、すみません」
「えっ、いや銃兎さんが謝ることじゃないですよ!!」
謝られるとは思ってなくて、めちゃくちゃ焦る。
銃兎さんに謝られてしまうと、私の立場がない。
迷惑をかけているのは、明らかに私の方なんだし。
「あの……私、どれぐらい寝てたんですか？」
「そうですねぇ、三十分ほどですかね」
「うわ、まじか……すみません、銃兎さんの方が眠いのに」
元はと言えば銃兎さんに休んで欲しくてした事なのに、これじゃあ、どっちが休んでるのか分からない。
「俺の方がって……っはは、お前、そんなこと気にしてんのか？」
「気にしますよ。銃兎さん、体調悪くても無理しちゃうから」
「んな心配いらねぇよ。それにもし倒れても、Aが面倒見てくれるんだろ？」
ポンポン、と優しく頭を撫でられ笑いかけられる。
その柔らかい表情に、再び顔へ熱が集まる。
ほんとずるい人……でも、そんな銃兎さんにときめいてしまってる自分がいる。
正直、それが一番ムカつく。
嬉しいのかムカつくのかはっきりしない自分の心が嫌になって、思わず「はぁ」とため息が零れた。
「ため息なんて吐いてたら、幸せが逃げて言ってしまいますよ」
．
「……銃兎さんが居たら、いつでも幸せなんで関係ないですよ」
．
現在進行形で幸せ補給してるのに、逃げるわけがない。
そもそも誰のせいで出ため息だと思ってるのか。
．
「……A、今なんて」
「え？ いや、だから、銃兎さんが居たらいつも……し、あわせ……」
あれ？ 私なんでそれ本人に言ってんの？
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おたくちゃん - ｺﾞﾊｧ（吐血）最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (
レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω｀)この物語、大好きです！ (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月斗。 | 作成日時：2020年12月17日 7時
