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近くの自動販売機まで走って、暖かいココアを買う。



きっと、銃兎さんはコーヒーの方が好きなんだろうけど、寝て欲しい人にカフェインを与えるなんて本末転倒すぎるからやめた。





「はい、ココアです」




悪いな、と受け取った銃兎さんは、少し缶を振り、しばらくココアを握って暖まっていた。




その表情はちょっと嬉しげに見えた。





火傷しそうなほど熱いココアを少しずつ飲み進める。





「美味しいですか?」




「あぁ。でも……Aの淹れたコーヒーの方が何倍も美味しいですよ」





初めて聞く、銃兎さんの幸せそうで甘い声に思わず心臓が跳ねた。









そんな顔で、言わないでよ。







じわじわと顔に熱が集中するのが分かる。




銃兎さんに気付かれないように笑って誤魔化した。









「A」




「はい?」



「ちょっと、こっちに来てくれますか?」




「え?」


真横にいるのに、何故かこっちこっちと手招きされる。





とりあえず言われた通り銃兎さんの正面に向かうと、クルッと後ろを向かされて強制的に座らされる。




上から聞こえる銃兎さんの声と背中に伝わる銃兎さんの熱。




どうやら私は銃兎さんの足の間に座らされたようだ。




「あ、あの……銃兎さん? 何で間に?」





銃兎さんから返事はない。




代わりにお腹に腕を回されてギュッと抱きしめられる。



おまけに私の右肩におでこを押し付けてはぁ、と短く息を吐いている。



ちらっと右を向けば広がる、銃兎さんのサラッとした髪とタバコの匂い。



最初は少し苦手だったこの匂いも、今ではすっかり、愛おしいと思うようになってしまった。




恋は盲目、とよく言うけれど、全くもってその通りだ。




タバコなんて吸ったことないのに、この匂いが好きだなんて。

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おたくちゃん - ゴハァ(吐血)最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω`)この物語、大好きです! (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月斗。 | 作成日時:2020年12月17日 7時

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