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「じゅ、銃兎さんも、うちの常連なんですから、お好みの味があるなら、言ってくれれば調整しますよ」
「……私の好みでいいんですか？」
「もちろんですよ!!」
むしろ、銃兎さんの好みが知れるなら、これ以上のチャンスはない。
「ふふ……ありがとうございます。ですが、これからもいつも通りでお願いします」
「えっ？ でも、今の味がいいんじゃ」
「確かに、これも美味しいんですけど……私が飲みたいのは、百パーセント美味しいコーヒーではなくて、Aが淹れるコーヒーなので」
ドクン、と大きく心臓が跳ねる。
急にそんなこと言われたら、普通に照れるんだが？
……わー、どうしよう。
今絶対顔真っ赤だ。めちゃくちゃあつい。
「これからも、等身大の貴方が淹れるコーヒーを頂けたらそれで十分です」
「……あ、ありがとう、ございます」
恥ずかしさで思わず顔が下がる。
そんなこと言われたら、緊張していつも通り淹れられる気がしないんだけどなぁ。
暖めていたお湯がブクブクと音を立て始めたのとほぼ同時。
ガタッと言う音を響かせて、左馬刻さんが立ち上がる。
「A、美味かった。じゃあな」
「えっ、あのおかわりは……」
「今度頼むわ。おい行くぞ銃兎ぉ!!」
突然名前を呼ばれて、銃兎さんも思わず「えっ」と聞き返した。
しかし左馬刻さんは何も説明する様子はなく、代金を置いてあっという間に店を出ていってしまった。
「お、おい待て左馬刻!! ……ったく、しゃあねぇなぁ。すみません、失礼します」
「あっいえ。お疲れ様です……」
「どうも。ご馳走様でした」
左馬刻さんと同じように、代金をカウンターに乗せて店を出ていく。
カランカラン、と少し寂しげなベルの音が、静かな店内に鳴り響いた。
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おたくちゃん - ｺﾞﾊｧ（吐血）最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (
レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω｀)この物語、大好きです！ (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月斗。 | 作成日時：2020年12月17日 7時
