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そう言われて、左馬刻さんに出したカップを見る。



黒い表面に引かれる金のライン。




カップの持ち手と重なる部分に同じ金の線で描かれる、可愛らしい兎のマーク。







「左馬刻さん、ごめんそれ銃兎さん用のカップ……」




「あ? 間違えたのはカップのせいってか?」



「そう、ともいう……てか、ごめんなさい。最近銃兎さんのコーヒーばっかり淹れるから、慣れでつい」




「あいつ俺様よりも来てやがんのか?」




「え、はい。めちゃくちゃ来ますよ? 正直左馬刻さんより来てますよあの人」




まじか、と心底驚いた様子の左馬刻さん。




左馬刻さんから見ても銃兎さんがこんな頻度で来ることは珍しいんだろうか。



なんかそれ、ちょっと嬉しいな……



それだけ銃兎さんがこのお店のことを気に入ってくれてるってことだし。




出来れば、私の淹れるコーヒーのことも気に入ってくれたら嬉しいんだけど……って何考えてんだろ。



あわよくば、なんて変な考えしないしない。



中学生かよ恥ずかしい。



そんなことを考えていたら、左馬刻さんがすごい目付きで見ていることに気づく。





「左馬刻さん? どうしました?」



「……A、テメェ今銃兎のこと考えてただろ?」




「えっ、なんでバレ……い、いやっ、別に考えてませんけど」




「嘘つけ!! わかりやすすぎんだよテメェは!! 顔に書いてあんだよもうちょっと隠せやクソガキがぁ!!」




「ええぇ!? なんでそこでキレるんですか!?」




「っるせぇ!! あのうさポリとコーヒー間違えてんじゃねぇよ!!淹れ直せゴラァ!!」



















「はいストップ!! ストップ!! ストップ!! 何騒いでんだ左馬刻!! 外まで聞こえてんだろーが!!」





ガラガラと、騒々しく店に入ってきたのは、まさかの本人。


銃兎さんだった。




「あぁ!? うっせぇな!! テメェのせいでコーヒー一杯分無駄にしたじゃねぇか!!」





「は? 何で俺のせいに」





「わあああ!! いいい淹れ直しますから!! 左馬刻さん座って座って!!」






危うく銃兎さんに、専用カップを使ってるのがバレるところだった。




あのうさちゃんカップは、私が銃兎さんに使ってもらいたいがために個人的に用意したもので、本人にはその事を一切言ってない。




ていうか多分、言ったら殺される。




芋づる式に電話帳の名前をうさちゃんに戻してるのもバレるかもしれないし、怖くてとても言い出せない。

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おたくちゃん - ゴハァ(吐血)最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω`)この物語、大好きです! (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月斗。 | 作成日時:2020年12月17日 7時

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