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「……銃兎さん、質問していいですか？」
少し身じろぎをした銃兎さんが「ん」と返事なのか違うのか分からない声で応える。
その後何も言わない辺り、ただの寝言だろう。
「もうあの事件から、何ヶ月も経ってるのに、まだ店に来てくれるのはなんでですか？」
私のいる時間ばかりに、とは言えなかった。
店長に教えてもらって銃兎さんがここに来るのが私のいる時間帯だけなのは知っていた。
けどそれを言ってしまうのは自意識過剰な気がしたから……とても口には出せなかった。
「ねぇ」
応えないと分かっているのに、「答え」を求めて声を掛けてしまう。
何か言ってくれないと、期待しちゃうよ。
「会いたいから」
「え」
チラッと顔を上げて言う銃兎さん。
しかしすぐにうつ伏せに戻ってしまった。
一瞬聞き間違いかと思ったが、そうではないらしい。
でも、違う、まともに考えちゃだめだ。
いつだってずるい銃兎さんの事だから、きっと揶揄ってるだけなんだ。
そうに違いない。
高鳴る胸を抑えながら、平然を装って
「揶揄うのもいい加減にしてくださいよ」
あわよくば、冗談じゃないと、揶揄ってなどいないと、言ってくれたら。
ドキドキ、と鼓動が早くなるのを感じる。
焦りと不安、そして期待。
私、いつからこんなに女々しくなったんだろう。
こんなんじゃ、まだまだ子供だって銃兎さんに笑われちゃうよ。
「……銃兎さん？」
「……」
いつまで待っても次の言葉が聞こえてこないから、思わず声をかける。
返事はなく、代わりにスゥスゥと整った寝息が聞こえてきた。
「もぉー!! なんでこのタイミングで寝るのかなぁ!!」
真相は藪の中、どころかもっと遠いどこかへ消えてしまった気がした。
夜の中へ、星の彼方へ、空に浮かぶ天の川に流されて遠い遠い銀河の果てへ。
織姫と彦星も見つけられないところへ消えてしまったような、そんな気がした。
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おたくちゃん - ｺﾞﾊｧ（吐血）最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (
レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω｀)この物語、大好きです！ (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月斗。 | 作成日時：2020年12月17日 7時
