検索窓
今日:26 hit、昨日:10 hit、合計:43,477 hit

ミルキーウェイ ページ13

バイト終わり、突然左馬刻さんから電話がかかってきて「頼みたいことがあるから店の前で待ってろ」と言われた。


嫌な予感しかしなかったけど、言われた通り店の前で大人しく待っていると、少し離れたところに停まる車から名前を呼ばれた。


あの声は、左馬刻さんだ。


車の方へ近づけば、助手席の窓から見慣れた面々の顔が見えた。




「左馬刻さん、理鶯さん……と、後ろにいるのは、銃兎さん?」



暗くてよく見えないけど、どうも銃兎さんの様子がおかしい気がする。


車にでも酔ったのか、上を向いて一言も話さない。


不思議に思って見つめていると理鶯さんが「銃兎は寝ている」と教えてくれた。


寝てるにしても珍しい気がするけど、まぁ寝てるなら納得だ。






「A」



名前を呼ばれ左馬刻さんに視線を戻す。






「また銃兎の面倒頼んでいいか?」



「……へ?」



銃兎さんの面倒を?



何かの冗談?


そう思って理鶯さんを見るけど「小官からも頼む」とむしろ逃げ道を塞がれてしまった。






どういうことなの?






「銃兎が酒を飲みすぎて、酩酊状態なんだ。小官たちはこれから行くところがあるから、貴殿が良ければ小官たちの用事が終わるまで銃兎を預かって欲しい」




真っ直ぐな目でそういう理鶯さん。


いや、待って、おかしい。


なぜ私なんだ?


そもそも、この前みたく風邪引いてるわけでもないんだからわざわざ面倒見なくてもいいのでは?


それにそんな、私なら慣れてるだろうからみたいな感じで言われても、慣れてないし好きでやってるわけでもないんだが……?



「A以外頼めねぇんだよ、こいつ、一人暮らしの独身だし」



「……知ってますけど、だからって私を託児所みたいに扱われても困るんですが」



「いいから預かれっつってんだろォがァ!!」




ドスの効いた低い声で叫ばれる。恐怖でヒッと喉から悲鳴が出た。






「すまない。左馬刻も酔ってるんだ。小官も、Aに銃兎を預かってもらえると助かる」




「……はぁぁ……もう、仕方ないですね」





理鶯さんのあの純粋無垢な瞳はずるい。





銃兎さんとはまた別の意味で有無を言わせてくれない。

○→←○



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おたくちゃん - ゴハァ(吐血)最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω`)この物語、大好きです! (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月斗。 | 作成日時:2020年12月17日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。