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「ありがとね、Aちゃん。今日もお疲れ様」
「店長もお疲れ様。体、気を付けてくださいねー」
「Aちゃんも、帰り道気を付けて。明日も宜しくね」
「はーい」
優しく笑う店長に手を振り、店を出る。
夏の夜はこんな時間でもまだ少し明るい。
そういえばもうすぐ友達の誕生日だ。
給料も入ったことだし、何かプレゼントしようかな。
店から駅までの間。
少し遠回りをした先にある大通りへと向かう。
店から少し離れると人通りも増えてきて、大通りまで行くと沢山の人で賑わっていた。
何を贈ろうか。
お洒落が好きな子だから、コスメとかアクセサリーにしようかな。
あぁ、でも、好みとか分かんないからパックとかの方がいいかな。
ふと、異様な甘い香りが鼻に付く。
なんとなく嫌な甘さだったので、気になって振り返って見てみると、その匂いは黒い帽子を被った男のものだと分かった。
道行く人は皆、その男とは距離を空けて歩いている。
匂いが不快なせいで、誰もその男に近寄りたくないのだろう。
黒い帽子……それに黒髪……どこかで聞いたその並びに昼間の銃兎さんの言葉が思い出される。
『黒い帽子を被った黒髪の、甘い匂いのする男を見つけたら、すぐに私に連絡してくださいね』
間違いない。
今の男だ。
人の波に押し流されそうになるのを必死に堪え、男の向かった方向へと慌てて引き返した。
今電話しても、見失っちゃったら意味無い。
だからどうせなら、もっと目につく場所に来てから連絡したい。
そう思って後をつけると、ふいに男は裏路地の方へ曲がった。
覗いてみると、その道は思ったより暗く細く、かなり奥まで続いているようだった。
さすがに、これ以上進むのは危険だろう。
第一、私じゃどうしようもないんだから、そろそろ銃兎さんを呼んで、後は任せよう。
念の為にと渡された連絡先、登録しておいてよかった。
そう思い、電話帳の銃兎さん名前をタップしようとした、
その瞬間。
「誰に電話掛けようとしてんの、お嬢ちゃん？」
「えっ」
いつの間にか後ろには、さっきの男が立っていた。
きっと尾行がバレていたのだろう。腕を捕まれスマホを奪われる。
「ちょうどいいや……この奥で遊ぼうよ、お嬢ちゃん」
「い、たっ……はな、してっ!!」
「そこまでですよ」
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おたくちゃん - ｺﾞﾊｧ（吐血）最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (
レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω｀)この物語、大好きです！ (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月斗。 | 作成日時：2020年12月17日 7時
