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カ「俺を…拾ってほしい…!」
貴「…………はい?」
予想もつかないような言葉に、思わず聞き返してしまう。
カ「俺を、養ってほs…ヘックシュン!」
貴「………とりあえず、そのままじゃ風邪ひくだろうし…うち来ますか?……」
話しながら途中で大きなクシャミをする彼にそう声をかける。
一気に顔を赤らめた彼だったが、その表情とは裏腹にクールな声で「そうさせてもらうぜ」と言った。
in 家
貴「とりあえず、タオルで体拭いてください。はい、これ」
カ「………」
貴「?……あの」
カ「えっ、あ、すまない……助かる」
貴「いえ…」
貴(緊張しているのかな…?)
さっきから一向に顔が赤いのは治まらず、少し挙動不審がちになっている。
何か変なところでもあっただろうか。
貴「何か飲み物入れましょうか?コーヒーでいいですか?」
カ「あ、あぁ…ブラックで…頼む」
貴「はーい」
なんとなく、ブラックを頼むんだろうなぁと思っていたけど、本当にブラックだったから少し驚いた。
貴「どうぞ」
カ「あ、ありがとう。ガール」
貴「…いえ」
この人、さっきも言ってたけど「ガール」ってどういう事なんだろう?
カ「……ガール、さっきの話なんだが」
貴「さっきの…あぁ、橋の」
カ「俺を、拾ってくれないか?」
貴「……それやっぱり意味わかんないです」
カ「俺を……っ……今日だけここに、泊めてくれないか?」
貴「えっ」
カ「も、もちろんタダでとは言わない!!金は持ってないが、料理はできる!!」
貴「ええっと……」
カ「そ、それとも……掃除か?!家事ならマミーをよく手伝ってるから得意だぞ!!」
貴「い、いや!そうじゃなくて…」
料理とか、家事とかそういうことを気にしているんじゃなくて名前も知らない人に泊めてくれと言われて驚いているだけである。
この人の方が、私のことなんて知らないだろうに。
どこからその信頼が来ているのか、不思議でしょうがない。
貴「まぁ……1日くらいなら、いいですよ」
彼が悪い人じゃないっていうのは、凄く伝わった。
いつも見てるだけで、話したこともなかったけど
どこか自身に溢れていて、キラキラと(物理的にも)輝いていて。
ーーそんな人が、雨の中であんな悲しそうな表情でいて。
その彼に声をかけたのは、私。
彼が私を信じてくれたなら、私も彼を信じるしかないだろう。
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ゆきな(プロフ) - ニヤニヤする (2020年5月13日 11時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
すずりん - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年1月10日 23時) (レス) id: cc0f1c90d2 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬彩七(プロフ) - 続きが気になります。更新、頑張って下さい (2017年12月29日 14時) (携帯から) (レス) id: 9eede2b342 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます! (2017年12月12日 20時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月斗。 | 作成日時:2017年8月1日 21時