青空コントレイル

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健二郎side









数原と交代して、隣の啓司さんの肩を叩く。







こんなごちゃごちゃなるまで放っとくか？

この人自分の前のレーダー以外には興味ないんやから。








「啓司さん、個人プレーが過ぎますよ。

数原がおいてけぼりやないですか」







「はははは、ごめん！！

ちょっとノッてきちゃってさ〜

龍友ごめんね〜」







「とんでもないっす！

俺がついていけてないのが悪いんで」







カチッ、カチッとはまっていく歯車を確認して

タワーを降りようとすると、

渋い顔をした直人さんと目が合う。







「健二郎ちょっといい〜？」







「俺も直人さんに言いたいことが」







「先にお前の話から聞くわ」








タワーへの階段の下。

持参したタンブラーのコーヒーを飲みながら

直人さんが俺を見る。








「俺、OJTやっぱ向いてないです」







「まだ半日も経ってないのに？」







「ええ。この数時間で痛感しました。

･･･というより、なんであんな奴が羽田配属なんですか」






「あんな奴？」







声色も表情も変えずに直人さんが掛けていた眼鏡を外した。






･･･この人のこういうところ。

主任のくせにぷらぷらしてるかと思えば

今みたいに、瞬時にその場の空気を変える。







慣れへんなぁ。









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