青空コントレイル

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広臣side









小林『静岡にダイバート(目的地変更)しますか？』








東京コントロールの小林さんにエマージェンシーを宣言すると

ダイバートの案を出してくれた。








でもなぁ。

既に機体は神奈川上空。








「AIが使えない状態で引き返すのは気が引けます。

それに、後ろから積乱雲が追いかけてきてるので

このまま羽田に向かいます」








小林『わかりました。

羽田にはすでに報告しています。

私が羽田までお連れしますので、計器は心配せず

安心して飛んでください』








登坂「とても心強いです。ありがとうございます」








小林さんの落ち着いた低い声が

俺の心まで落ち着けてくれる。









小林『他に機体には異常ありませんか？』









小林さんにそう聞かれ敬浩さんに目配せする。

ううん、と首を降る敬浩さんを見てもう1度マイクスイッチを握る。








「今のところありません」








小林『わかりました。

高度はそのまま維持してください。

周辺を飛行中の他機には十分な距離を保たせてます。

あとは、雲ですが･･･』









「風向きと、何マイル先にどのくらいの大きさの雲があるか

教えてくだされば見えるので」









小林『･･･え？』









あ、やべ。

やっちゃった･･･









田崎「風向きと、雲の位置から

どう避けるべきか逆算できるんです！

な！登坂！！」








黙ってしまった俺と小林さんに助け舟を出すように

横から弁解してくれる敬浩さん。









小林さんからしたら

何言ってんだこいつ、状態なんだろうな。

無理もない。

俺だってなんでこんなことできるのか理解出来ねぇし。









田崎「登坂、操縦変わろう。

俺が通信するからお前は見えたまま飛べ」








「はい」









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