青空コントレイル

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田崎「なるべく気流の良いところを選んで飛行しますが、

･･･時折天使の気紛れで、ゆりかご、ブランコのように

軽く揺れる場合がございます。

揺れましても飛行には

まっっっっっったく

影響ございませんので、どうぞご安心くださいませ。

完璧な操縦で、皆様に快適で安全な空の旅をお約束致します」







マイクスイッチを切った田崎さんが

ふぅっと息を吐いて、登坂さんに向かってへらっと笑った。







CA『機長、ありがとうございます。ややウケです』







田崎「最後の一言いらないよ〜

揺れたらお客様のケアお願いね」







CA『かしこまりました』








ANAパイロットの機内アナウンスを生で聞いた私は

もう、拍手するしかない･･･









登坂「敬浩さんまじ、心臓強いっすよね」







田崎「それ褒めてる？貶してる？」







登坂「････････････」







田崎「都合悪くなるとすぐ無視するよね！？」









那覇から羽田に向かう全日空1128便。

追い風に押し出されているのはどうやら機体だけではなく

目の前の大きな積乱雲も同じらしい。








機体が大きく右に傾き、旋回を始めたことを知らせる。

関西上空でぶつかる予定だった積乱雲は北に北に進路を進め、

旋回する頃には、すでに名古屋上空だった。








その瞬間。








目の前がカッと急に真っ白になり、

同時にかなり大きな破裂音が耳をつんざく。








登坂「っわぁ、びびった〜」








田崎「･･･落ちたな」








「か、雷ですか！？」








田崎「そう。この距離でも被雷するか〜

大丈夫。雷が落ちたくらいじゃどうにかなったりしないよ〜」







マイクスイッチをオンにする田崎さん。








田崎「キャビン、聞こえますか？」







CA『聞こえます、大丈夫です。

電気も１度全て落ちましたが復旧しました』







田崎「わかった。ありがとう。アナウンス入れます」









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