青空コントレイル

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私がじっと見つめていたからか

視線に気づいた登坂さんが「ん？」と眉を上げる。








「はぁ･･･♡」









私の隣に立っていた綺麗な客室乗務員の方が

ピンク色の吐息を吐いた。









田崎「登坂の顔が綺麗なのはわかるよ？

でも、俺の顔も見てほしいな〜」








登坂さんの顔ばかり見ずに、

ブリーフィングに参加しろと田崎さんがにこっと笑う。








私もいつの間にか

登坂さんファンの立場で彼を見ていた。








･･･危ない。








田崎「それじゃあ、今日も宜しくお願いします」








田崎さんの声に一礼して

コックピットに向かうパイロットお2人と

お客様が搭乗される前にもう1度ブリーフィングをする

客室乗務員の方々。








亜嵐くんがちらっと私を見て手を振るから

遠慮がちに手を上げると

「Aちゃんはこっち〜」

と首根っこを捕まれ、登坂さんに連行された。








コックピットに入ると

すでに計器のチェックをしてる田崎さん。








ヘッドセットを着けた登坂さんは

腕時計にちらっと目をやって通信を始めた。









登坂「全日空1128便、登坂です。

うん、予定通りね。了解」








きっと通信相手はエリーさん。

私も慌ててヘッドセットを着ける。








ｴﾘｰ『地上には誘導をお願いしてるし、

バゲージの搭載も間に合うよ』








台湾航空はどうやら予定通り10分押しだけど、

無事に到着したみたい。

エリーさんが地上のグランドスタッフとも

連携を取ってくれてる。









ｴﾘｰ『積乱雲を避けるルートも

東京コントロールにリクエストしたよ。

今もムクムクでかくなってるけど、

それを予測したかなり大きく迂回するルートだから

大丈夫だと思う』








登坂「了解。ありがとう」








ｴﾘｰ『今日も安全運転でお願いします！

じゃあね、また後で。

ユウキちゃんも搭乗訓練楽しんでね〜』








わ！！

まさかエリーさんが

私に話しかけてくれると思ってなかったから

マイクスイッチ握ってなかった！！

どこ！！マイクスイッチ！！！








慌ただしくヘッドセットの先のスイッチを探す私を

笑いながら見てる登坂さん。








「あった！！エリーさん！行ってきます！！」








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