青空コントレイル

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数原『All Nippon 86. TOKYO Ground. (全日空86便、こちら東京グランドです。)

Taxi via India, Hold short of Wisky 8.(ルートIを進行して、W8で待機してください)』






登坂「All Nippon 86.(全日空86便) Roger.(了解。)

数原ありがと〜」







･･･登坂さん本当に日本語で通信してる

･･･田崎さん注意しなくていいの！？








黒木『All Nippon 86, TOKYO tower.(全日空86便、こちら東京タワー。)

wind 340 at 12, runway 16L, cleared for take-off. (風は340度から12ノット、滑走路16Lからの離陸許可。)』








登坂「Runway 16L cleared for take-off. 
(滑走路16Lからの離陸支障なし。)」








黒木さんからの着陸許可を得た登坂さんは

一度操縦桿から手を離し

首をぐるんと回して、短く息を吐いた。







再び操縦桿を握った登坂さんの

オーラというか、気迫がさっきと全然違う。








後ろから見ててもわかる。







徐々に大きくなるエンジンの音と、

視界の端に流れていく空港のターミナルビル。








登坂さんが腕にぐっと力を入れて操縦桿を引くのと、

重力で私の体がシートに押さえつけられるのはほぼ同時だった。







黒木『All Nippon86, contact departure.(全日空86便、東京デパーチャーと交信してください。)』







登坂「All Nippon86, Roger.

啓司さん行ってきま〜す」







黒木『はーい、気をつけてね〜』







「黒木さん！？返事してるし！！」








黒木さんの返事と私のつっこみを聞いた田崎さんは

機長席で手を叩いて笑ってる。









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