青空コントレイル

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言われた通り、13時までに昼食を済ませて

事務所で山下さんを待つ。








「おい、行くぞ」








「あ、はい！」








慌てて後を追ってエレベーターに乗り込むと

地上階ではなく、「TOWER」のボタンを押す山下さん。







「シュミレーターじゃないんですか？」







「気が変わった。上いって俺らのチーム見てて」








相変わらず目は合わないし、関西弁ではないし

何を考えてるのかわからないけど

エレベーターが最上階に到着した瞬間

山下さんの口角がきゅっと上がった気がして

何故か少しだけ緊張が解けた。








初めて足を踏み入れる羽田のタワー。








地上110mから見える景色。

視界を遮るものは何一つない。








「職場見学じゃないんだから。ほら」








片岡主任となにか話してた山下さんが

私を呼んでマイクコードをさすように言う。








山下さんの管制初めて見る。

しっかりついていこう。








「Star flyer 64. (スターフライヤー64便)

Runway 34 Left cleared to land.(滑走路34Lから着陸許可。)

Wind 030 at 5.(風は北東から5ノット)」








スターフライヤーに着陸許可を出した山下さんが

ちらっと頭上のモニターを見上げて「あ〜」と言った。







「Japan Air 1364. (日本航空1364便)

最低速度まで減速してください」







スターフライヤーの次に着陸予定の日本航空機を減速？

なんで･･･？








「数原、後続機減速さしたから

スターフライヤー降りてきたら滑走路横断さして」








「はい！」








･･･日本航空が着陸するまでに！？

いや、このタイミングならできる･･･








「Japan Air 1364.( 日本航空1364便)

Runway 34 Left continue approach. (滑走路34にそのまま進入してください)

･･･啓司さん、地上付近で風が変わるって

パイロットが言うてます」







「了解〜こっちにも伝えとくわ」







他のメンバーにも情報提供。

そんな余裕あるのが、流石としか言いようがない･･･








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