198.おねだり←9/8 ページ18
「四六時中…目…の届く…とこ」
無意識にあげた腕に力を入れたせいか手首に巻かれたロープがしなる音がした
刹那的な瞳に笑うと
二宮「そう…四六時中、24時間、片時も視界に入る場所にいて欲しい」
私の腕の内側に唇を這わせ柔らかな部分にきつく吸い付くようなキスをする
安易についたキスマーク
「二宮さん…」
それをゆっくり指先に撫で
二宮「わかってる、現実的な話じゃないってことくらいね」
今度は唇に乾いたキスを落とした
「違います」
現実的じゃないのはわかってる
だけどそれを何処かで望む自分がいて
二宮「え？」
そんな自分が…
「そうなったら駄目になってしまうから」
…怖い
二宮「"駄目"？」
「私が…」
二宮「どういう意味」
「二宮さん無しに生きられなくなる…もしも二宮さんがいなくなったら」
それはこの間の事でハッキリとわかったけど
それでも彼への気持ちの到達点が全く見えない
私の言葉に一瞬目を見開いた彼は
次の瞬間には優しく笑う
二宮「それはないよ」(笑)
啄むキスは至極焦れったく
苦しさに息を吸い込むように唇を開くと
彼は強かに笑い
そして唇がつく数ミリ前に囁いた
二宮「貴女がいなくなったら俺が息すら吸えなくなる」
彼からもらうキスは空気よりも身体が欲する
深く重なる唇
求めていた彼の舌先が柔く私の舌に絡み
口内から聞こえる水音に鼓膜が愛撫される
触れられない所にまで彼が触れているような感覚
罰ではなくご褒美に思えるような甘いキス
余韻を残すように離れた唇をまだ二人を繋ぐ熱のある息
「好きです…二宮さん」
濡れた唇をそっと指先に拭った彼は
二宮「これからお仕置きなのにそんな可愛いこと言わないでよ」(笑)
その濡れた指先に身体を辿る
二宮「好きだ…A」
知り尽くしたその指先と甘やかす声
「これが…お仕置きなんですか？」
罰の意味がやっとわかった
二宮「ん？」
それ以上が欲しい私に
「抱き締めたいのに抱き締められない」
二宮「だろうね」(笑)
それ以上をけして許さない彼は
下唇を噛む私を上目使いに意地悪く笑った瞳に見る
二宮「でも、これで終わらない」
グイっと太股を手にすると
二宮「"もっと"…ってねだらしてあげるから」
彼は蔑む企みに染まった眼差しにロープのあまりを手にすると
二宮「覚悟して？」
私をさらに蜘蛛の巣へと誘い込んだ
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作者名：2-38
| 作成日時：2019年8月8日 7時
