彼のスーツを脱がす時７【NINO】 (ページ19)

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199.燻り←9/9 ページ19

「二宮さっ…………んんっ」

彼の香り

彼の熱

そして

彼の唇

指先

二宮「まだまだでしょ？」

吐く息ですら私を支配して

快楽の沼に落としていく

だけどそれは終わりを許してくれない

辿り着きたい場所に彼はけしてつれてはいってくれなくて

あと一歩のところで止められてしまう

それが何度繰り返されたかわからない

息を何処で吸っているかもわからない状態で

時折あけた瞼の先には滲む彼が見える

次の波が押し寄せる時だった

身体に感じる彼の体重がふわっととける

二宮「そろそろ解いてあげる」

今の今までの強かで艶やかな彼の視線とは一転して優しい笑顔に私の汗ばんだ額にふわりと口づける彼

「え？」

ベッドのヘッドレストに繋がれたロープを片手に

二宮「ん？」

まるで蝶々結びをとくかのように一瞬にしてそれをほどいた

二宮「どうかした？」

彼は何もわかってないような顔をするけど

私が何を考えているかなんてお見通しで

「なっ、何でもないです」

乱れた服を彼がもとに戻す事に身体の熱が余計に上がった

二宮「明日も朝早いでしょ？シャワー浴びておいで」

「……………はい」

シャワーを浴び身体に幾重にもついた彼のアトとロープの痕

身体の疼きを抑えるように新しいナイトウエアを着る

私が寝室に戻ると彼はベッドの上で胡座をかき眼鏡をかけPCと向き合っていた

二宮「お帰り」

ポンポンっと枕を叩かれ

「…二宮さんは…まだ寝ないんですか？」

そこに招かれるように横になると優しく頭を撫でてくれた

二宮「明日は朝から取引先とのミーティングがあるからね、ちょっと確認」

何故か嬉しそうに笑う彼が今の私には憎らしくすら思えるのは

これがお仕置きの意味なんだって

燻る熱にもどかしさでいっぱいになる

「そうなんですね」

なのに

二宮「Aちゃんが仕立ててくれたスーツを着ていこうかな」

そんな事いわれたら例え自業自得でも拗ねる気持ちにすら

それを許されなくなる

二宮「おやすみ」

「おやすみ…なさい」

だけど私は彼のお仕置きがここで終わらない事をわかっていなかった

眠れないままに目蓋を閉じると

燻る身体に夢の中に入ったのは朝方

微睡む意識に彼が目覚めベッドを離れた事にやっときた睡魔に目蓋を開けれずにいた

二宮「…ちゃん？」

トントンっと指先に叩かれた肩

二宮「…Aちゃん」

目蓋を開けて息をのみ

二宮「おはよ？」

燻る身体は一気に発火する