05.ZERO←4/21 ページ6
小山「全然ですよ」(笑)
はにかんだ笑顔に謙遜する小山さん
「そうなんですか？」
仕事もできて、気配りも然り気無く、ファッションというよりかは全てのものにセンスがいい小山さんがモテないわけはなく
だけどそれ以上に聞けなかった
小山「うちの会社で一番もらうのは室長じゃないかな」
「室長って……櫻井さん！」
小山「はい」
「確かに櫻井さんたくさんもらうでしょうね」
小山「毎年、バレンタインデー前後は出張を入れてますけど出先でもいただくみたいですよ」
「モテるのも大変ですね」(笑)
櫻井さんの話が出て二宮さんが気にならないわけもないけど
何となくソレを小山さんに聞くのは気が引けてしまう
「どうぞ」
商談用のテーブルに珈琲をおくと、こちらに歩いてきた小山さんはニッコリ笑い椅子に座る
小山「ありがとうございます」
私も小山さんに向かいあうように椅子に座ると
小山「社長が気になりますか？」
一口、口にした珈琲の湯気の向こうに悪戯に笑う
二宮さんの会社の方達共通なんだろうか
「えっ…………はい」
人の心、頭の中が見えてしまうのは
恥ずかしさにもう一口珈琲を飲むと
小山さんは可笑しそうに笑う
小山「社長は０です」(笑)
意外な答えに驚いたけど
「えっ！？」
小山さんの次の答えに直ぐに納得した
小山「贈り物、とくに女性からのものは仕事が絡んでいても受け取りません」
確か前にそんな話を前に聞いた
「そうなんですね…」
仕事だとしても女性からの贈り物は受け取らないと聞いて嬉しいけど
仕事が絡んでいても受け取らないというのは何かしら受け取りたくない理由があるんだろうな
バレンタインには何も二宮さんにはあげれないのは残念というか
普段貰うばかりだし
欲しい物は何でも手にできる彼に
そして、欲しいもの以外に極端に興味がない彼には普段プレゼントをあげることは出来なくて
でも、バレンタインならって…
クリスマスもそれどころじゃなかった私に二宮さんはちゃんとプレゼントを用意してくれて
何だか色々考えると私って彼女として"彼女らしい"ことを彼に何もしてあげていないような…
小山さんの笑い声に我にかえると
「小山さん？」
また小山さんに心を読まれたんだろう
小山「いえ、すみません、大野さんからは例外だと思いますよ」(笑)
「そんなこと」
例外が優しさなら彼の負担にならないんだろうか
バレンタインは何かあげるより何か美味しい料理を作ろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：2-38
| 作成日時：2020年4月4日 11時
