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全ての権利を放棄します ページ7

高専に保護された日は、今までが天国と思えるほどの暴力を両親から受けて、崖に向かって投げ捨てられた卒業式の春だった。


私がいなければ

お母さんはおじいちゃんから認められる
お父さんはお母さんを許せる


無駄に丈夫な体は首の骨を折るだけで、他はほぼ無傷。治癒能力の無い身体は血を流すだけ。いっそ殺して欲しかった。痛いも苦しいもお腹いっぱいで。


死にたい

土の匂いが肺に回って気持ち悪い


死にたい

雨の誘い水が私の血を外へ連れていく


死にたい

折れた首が痛い、熱い


お願いします、殺してください

死にたい

お願いします、楽にしてください

死にたい

お願いします、自由にしてください

死にたい

お願いします、何でもします


呪霊だって祓います、いくらでも上層部におべっかを使います。だから、早く殺して、死なせて


死ぬために酒を飲んだ
死ぬために首を吊った
死ぬために腕を切った
死ぬために薬を飲んだ


治らない傷と痣だらけの体は寝食の機能を放棄して、それでもみんなは私に生きろと叫ぶ。
夢も希望もない、呪術師以外で高専の外を生きれない私に。



「どーせ生きてりゃ死ぬじゃん。せめて楽しく生きろよ」


何がそれ程まで死にたくさせるのか。俺にはさっぱり理解できない。


「楽しいって、何」

「甘いもん食ったり馬鹿したりだよ」


俺にとってだが、傑や硝子と馬鹿をやるのは楽しい。


「味なんて分かんない、馬鹿だから、酒飲んでんの」

「わかねぇって…お前、飯食わないのそれが理由か?」

「粘土と、水を食べてる気がして、気持ち悪い」

「…今迄そんなこと言わなかっただろ」


それじゃ、こいつは俺たちの土産や飯屋に行った時もずっと味の無いものを水で流していたのか。
俺の考えを読み透かしたかのようなAの目と目が合う。


「言ったら、殺してくれた?」


縋るような声。呆然とした目に唇を噛み締める。
そうか、こいつは人生の楽しみ方を知らないのか。


「んなわけねぇだろ」

「なんだ、はは…死にたい、死にたい。死なせて、ねぇ」

「そんなに死にてぇなら早く特級になって単独行動許可されるようになれよ」

「…そうしたら、普通になれば、死ねるかな」

「まず酒辞めるところからじゃね?」

「…死ぬためなら頑張れそう」

「最初はそれでいいんじゃねぇの?」


生きる理由はその後に見つけさせりゃいい。Aの頭を乱雑に撫で、その日の監視が終わるまで部屋にいた。

ガソリンだって飲みましたそれでも死ねなくて泣き続けてもしねませんでした→←不義の子にかけられた保険金も財産も私は権利を主張しません



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ゆめ - 好きです!!もう泣きそうになりました泣 続き待ってます (3月31日 12時) (レス) @page47 id: 11bb5a386d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 今まで見てきた夢小説の中で一番面白かったです!更新楽しみにしてます!! (2022年9月11日 0時) (レス) @page43 id: 0018f60a50 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - すごい面白いです見てて泣きそう… (2022年4月7日 2時) (レス) @page41 id: fef02b0b38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビーツ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年3月12日 23時

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