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頭がふわふわして、余計な事を考えなくて済むから飲んでしまうんです。 ページ5

スーパーを出て直ぐ、Aは酒をあけると喉を鳴らして、あっという間に飲み干す。


「……せめて車で飲めよ」

「ははっ、これこれぇ。ぜぇんぶ忘れられるんだよ、ふわふわして、舌の奥がねとねとして」


ずぶ濡れのまま車に戻ろうとするAの腕を掴み、無下限に入れる。


「なぁに」

「…濡れてんだから拭いてから入れよ」

「大丈夫、大丈夫ぅ、なんのためのフィジカルギフテッド」

「お前じゃなくて車の心配してんだよ」


Aは笑いながら二缶目を開ける。
何がそんなに美味いのか、それとも味が目的では無いのか。
俺からしてみればその行動は理解不能だ。


「風邪ひけたら、苦労してねぇよ」

「なんか言ったか」

「なぁんも、ははっ!」




悟と入れ替わりでAの監視に入る。机は既に大量の空き缶が几帳面に並べられ、その様にため息が出た。


「かなり買ったね」


私が声をかけるとAはロング缶を口から離し振り向く。
酔った様子はない。いや、いつも酔っているの間違いか。


「傑も飲むぅ?」

「遠慮するよ。隣いい?」

「んぅ……うん」


ツマミもなしに酒だけ。それも湯水の如く。
空き缶は机の上以外にもソファー横の大きな袋の中に軽く十は入っていた。


「なにか胃に入れないと体に悪いよ」

「ん?普通の人間だったらね」


と、また彼女は新しい缶を開けた。
レモンの香りが漂う前に一気に喉へ流し込む。


「Aはいつも同じものを飲むね。別の味を試したりはしないのかい?」

「味……?あー、酒の?考えたことなぁいなぁ」

「え、そうなの」

「昔頭打ってぇ?死んだくさいんだよぉ、味覚」


じゃあなぜよりによって酒を飲むのか。その疑問を言葉にする前に酒を取り上げていた。
開けたばかりだと言うのに缶は軽く、揺らしても音が殆どしない。
余りにも速いペースに少しだけ心配が芽生えた。


「ちょっとぉ、返してよぉ」

「無意味に自分を傷つけるのは良くないよ」


Aは意味を分かっていないのか首を傾げた。


「今日どこも自傷してないよー?」

「もう、遅いから。ほら、部屋に行こう」


空き缶を袋に入れて未開封の酒を彼女から離す。
眠らない彼女の対策として上は呪霊を使って眠らせろと命じた。
原因はわかっていない。脳みそが酒でイカれてるのか、その他に要因があるのか。


「えぇ…もっと飲みたい」

「駄目。私明日早いから」

「朝イチ任務?」

「そう。だから寝て」

「……はぁい」

不義の子にかけられた保険金も財産も私は権利を主張しません→←愛してくれる人はいませんでした。



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ゆめ - 好きです!!もう泣きそうになりました泣 続き待ってます (3月31日 12時) (レス) @page47 id: 11bb5a386d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 今まで見てきた夢小説の中で一番面白かったです!更新楽しみにしてます!! (2022年9月11日 0時) (レス) @page43 id: 0018f60a50 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - すごい面白いです見てて泣きそう… (2022年4月7日 2時) (レス) @page41 id: fef02b0b38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビーツ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年3月12日 23時

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