にじゅう！ 続き ページ45
さて次の日だ。
よーし、休みだ、二度寝すっぞー……
と意気込んだところ、良い匂いが漂ってきた。
空腹と睡眠欲が戦い、空腹が勝つ。
あ、明日も休みだもん!良いんだ!
「あ、おはようございます、悟さん!」
やはり百合ちゃんが台所にいた。
一日でずいぶん懐いてくれたようで満面の笑みを浮かべている。
可愛い。純粋に、姪っ子とかそういう……
「ああ、おはよう」
「……もしかして起こしてしまいましたか?すみません!」
いや、その通りだけど。
「気にしない。むしろ朝飯作ってくれたんだろ？ありがとなっ!」
にこっと笑うと百合ちゃんの顔が赤く染まった。
……すーはーすーはー。
こう言うときは素数を数えるんだ。
1，2，3，ダァー!!!
違う。そうじゃない！というかそもそも１は素数じゃねえっ!
危ない危ない。扉が開かれるところだった……
落ち着いたので、百合ちゃんをからかってみる。
「どうした?顔赤くして。まさか惚れちゃった?なーんてなっ!ははは、はは……?」
百合ちゃんの顔が更に赤くなり、俺の笑い声は、空笑いになる。
「う、その……あわわ!好きです悟さん!」
うん?待て待て。幻聴だ。幻聴。
アンダスタン?
イエース。
オーケーオーケー。
「面白い冗談だな〜。冷めないうちに食っちまおうぜ!」
「冗談じゃなくて!好きです!好き好き好きっ!」
怖いくらいの勢いで百合ちゃんが言ってくれるので若干引きながら宥める。
「落ち着こうか百合ちゃん。話し合おうじゃないか」
「二人の将来ですかっ!」
百合ちゃんもテンパっているのか大変なことを口走っている。
どうにかこうにか落ち着けたときには用意してくれた朝食はすっかり冷めていた。
そして俺の前には土下座する百合ちゃん。
「申し訳ありませんでした……っ!とんだご迷惑を……っ!」
「いやいや、俺がからかったのがそもそもの発端だ。いい人を見つけてくれたまえよ」
そう言うと百合ちゃんはキッと俺を見た。
「嫌です!私、悟さんじゃないと嫌っ!」
おおう。KA・TA・KU・NA☆
どうしよ、ええと……
考えたあげく、苦肉の策でデートの約束を取り付けると百合ちゃんは収まってくれた。
そのとき見せた笑顔にトキメいたのは秘密だ。
「一週間後な。……あ、家、帰れるか?」
「…………はいっ!」
言ったあと彼女が虐待されていることを思い出す。
考えにくいが、事実なのだ。
だって、ほら。目を凝らせばたくさんの傷跡が見える。
それでも気丈に笑ってうなずいた彼女を俺はどうしようもなく守りたくなってしまったのだった。
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まっころん(プロフ) - あおさん» ありがとうございます！今は諸事情により更新を停止している状態ですが、待っていていただけると幸いです！ (2020年8月6日 22時) (
レス) id: e0298bbebe (このIDを非表示/違反報告)
あお - 面白いです。応援してます。 (2020年8月6日 19時) (レス) id: af729b494b (このIDを非表示/違反報告)
まっころん(プロフ) - 申し訳ありませんでした。すぐに移動させてもらいますね！ (2019年9月14日 15時) (レス) id: e0298bbebe (このIDを非表示/違反報告)
ココロノオト(プロフ) - はい！すみません！ (2019年9月14日 11時) (レス) id: 02837942e8 (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - あの、コメント欄で会話をされると、占いツクール自体に負担がかかるのでボードに移動してもらってもよろしいでしょうか？お楽しみのところ申し訳ありませんでした。 (2019年9月14日 11時) (レス) id: 542ea26681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まっころん x他1人 | 作成日時：2019年6月30日 20時
