じゅうなな! ページ35
これは、愛する者を失った狐の一途な想いの物語__
私は叫んだ。
私は吠えた。
私は哭いた。
「なん、でっ!リムルっ!起きて!起きてよぉ!やだやだやだっ!独りにしないでよ!」
私は冷たくなった、でも、もともと冷たかったような。
でも……まだほんの少し温かいような。
二度と動かなくなった愛する人の体にすがり付いていた。
二度と動かないなんて信じたくなくて。
周りに迫る敵なんて眼中になくて。
「あとは一人だけだ!殺るぞお前らぁ!」
『オオオオオオッ!』
「やだやだやだ、やだっ!」
彼はどんどん擬態が解けて
「…………うるさいなぁ、うるさいなぁ、うるさいなぁ、うるさいなぁ、うるさいなぁっ!」
周りの雑音(敵)がうるさくてたまらない。
少しは哀しませてよ。
「アハハっ……
私は哄笑しながら鉄扇を造って敵の首をはねとばす。
どれだけ経っただろうか。私は血まみれでそこにたたずんでいた。
全員殺した後だった。
リムルのもとに戻ると、完全に擬態が解け、スライムに戻っていた。
でももうボロボロであちこちに欠片が飛び散っていた。
私はそこに膝をガクンとついた。
「ねぇ、リムル。私
私はそのままそこで三日間泣きじゃくり続けた。
そして三日後ようやく涙が枯れ、歪に笑った。
「大丈夫。みんな死んじゃったけど、大丈夫。みんな、甦らしてあげる。きっと、出来るから……フフフッ」
なんとなく視線をもともとテンペストがあった方に向けて、みんなの死体と残骸しかないことを確認してもう一度リムルに戻した。
そこにはちぎれたんだか、元々外れるものなのか。
知らないけれどリムルの服の上についていたモフモフのファーみたいなのが落ちていた。
血で汚れているそれを血で汚れている私の首に巻いて。
中に
蓋のコルクに紐を通して。
それを首にかけて。
服を真っ赤なものに変えて。
立ち上がって。
私は笑った。
「絶対、甦らせてあげるからね。大丈夫だよ」
そのまま、そこを立ち去った。
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まっころん(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!今は諸事情により更新を停止している状態ですが、待っていていただけると幸いです! (2020年8月6日 22時) (レス) id: e0298bbebe (このIDを非表示/違反報告)
あお - 面白いです。応援してます。 (2020年8月6日 19時) (レス) id: af729b494b (このIDを非表示/違反報告)
まっころん(プロフ) - 申し訳ありませんでした。すぐに移動させてもらいますね! (2019年9月14日 15時) (レス) id: e0298bbebe (このIDを非表示/違反報告)
ココロノオト(プロフ) - はい!すみません! (2019年9月14日 11時) (レス) id: 02837942e8 (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - あの、コメント欄で会話をされると、占いツクール自体に負担がかかるのでボードに移動してもらってもよろしいでしょうか?お楽しみのところ申し訳ありませんでした。 (2019年9月14日 11時) (レス) id: 542ea26681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっころん x他1人 | 作成日時:2019年6月30日 20時