5 ページ7
「宮城のお土産でオススメ、ありますか？」
「......。」
「........どうしました？」
「あっ、すみません。なんですか？」
「お土産、なにかオススメあるかな、と。」
「うーん、甘いのとしょっぱいものだったらどっちがいいですか？」
「では甘い方を。」
「お土産...。お菓子で無難なのは萩の月ですかねぇ。私冷やして食べるの好きで。個人的には喜久水庵の喜久福も超美味しいです。」
「喜久福？」
「大福の中に生クリームと餡子入ってるんです。味は色んなのあるんですけど。私のオススメはずんだ生クリーム味です！」
「それは....合うんですか？」
「騙されたと思って食べてみてくださいよ。」
「ははっ！じゃあ、騙されたと思って食べてみます。親友が甘いのよく食べるんです。それお土産にしようかな。」
他人。
けれどなぜか放っておけない。
気の所為。
ただの杞憂。
____でも、気にかかってならない。それは彼が高専生であるという理由や、思い浮かぶ任務地に引っかかる場所があることも1つ。
しかし何よりも、彼の年相応とは思えない大人びた笑顔と、振る舞いが、危ういように感じた。
◆
「ねぇ歌姫。高専に��傑��って名前の学生いる？」
Aがそう聞くと、目の前で紅茶を飲んでいた歌姫は思いっ切りげほっごほっとむせる。
「え、大丈夫？」という彼女の言葉に対し、歌姫は返答ではなく、怪訝そうな顔をした。
Aは思わず、アレ、私なんか変なこと聞いたっけ？と考え直す。が、特に思い当たる節はない。
「なんで下の名前なわけ....」
「え？あぁ、下の名前しか知らないから。盗み見したようなものだし。多分190いかないくらいの高身長でお団子にしてる、こう〜、なんて言うのかな...」
「いかついんでしょ。いるわよ。東京校1年、夏油傑。で？なんで知ってるのよ。」
「いや、本当に偶然。仙台で。バスの席が隣だった。」
「はぁ？バスの席？」
「そう。コーヒーも貰った。」
「はぁ？コーヒー？あいつが？」
ますます顔が険しくなる歌姫に、ああこれはやばい、とAは本題を切り出す。
「そう、それでさ。先週のことなんだけど。...その子、無事帰ってきた？」
「はぁ？」
またもや歌姫の表情が険しくなる。先程同様、アレ私変なこと聞いたっけ？と一瞬考えるA。
「前、私の地元で任務があったの覚えてる？それで腑に落ちないことがあって。もしかしかしたら、同じ任務地かもしれないと、心配で...」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 367人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2021年7月22日 22時
