降谷姉の囚われの日々【降谷零】

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Aside





「僕は、A姉さんの弟だよ！！僕(降谷零)をちゃんと見ろよッ…！！！」




おとうと？


目の前の男はいきなり私を抱え、外に連れ出そうとした。そんな輩が自分は弟だ、と必死に投げかけてくる。



さっきのドラマみたい。

この人は誰なんだろう。本当にれーくんっていう人なのかな。

でも、こんなに必死になって伝えてくれてるんだから、信じてあげてもいいんだろうか。

逆に、中途半端な気持ちで答えて失礼にならないか？
彼は今は叫んでいない。ただ困惑し、どこかホッとした表情を浮かべていた。



「…やっとこっちを向いたな」




あぁ、そのことに安堵しているんだな。




「姉さん、とにかく急ごう。

早くここを出ないと貴方の命が危ない。もちろん僕のもだけど」




「で、でもジンが」




そうだ、ジンが。

1ヶ月の中で数回、ジンが血の匂いをつけて帰ってくることがあった。
シャワーを浴びたのか返り血は何も付いていないのに匂いだけはこびりついていた。
その時の彼はとても冷酷な目をしていて、私は普段以上の恐怖を覚えた。



「ジンを、置いては______」



「____________ぁ」









頬に、血が飛んだ。
前では金髪褐色肌の彼が肩を撃たれて倒れている。









「バーボン______テメェ何をしている」




「ジン…」




ドアのすぐそこに銃口をバーボンと呼ばれる彼に向けたまま、ジンが立っていた。

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