遠い昔の婚姻届【文スト】

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寮に帰り、資料を机に並べる。



「……死亡者リスト」


ただただ、龍頭抗争で亡くなってしまった人たちの年齢とフルネームを表記されてあるリスト。

これが私にとって結構大事な情報なのだ。



「…そういえば」



私の苗字なんだっけ。



なんでそんなこと忘れてたんだろう。



「太宰さんは知ってるかな」



そこからは無意識だった。
隣室まで歩き、ノックをした。

人気のない夜はしーんと静まり返ってて怖い。

中の人物はゆっくりとドアわ開けた。



「こんな時間にどうしたんだい？」



「太宰さん。



聞きたいことがあるんです」



いっそのこと死亡者リストで探して考えるより手取り早いんじゃないのかな。
太宰さんは、全てを知ってそうだし。



「太宰さん、私の名前はなんですか」



太宰さんは目を閉じ考えたあと言った。



「…まぁ入り給え。

中で話そう。外は肌寒いからね」



私は誘われるがままに真夜中、太宰さんの部屋にお邪魔した。
殺風景な部屋はどこか太宰さんの雰囲気と似ている。



「珈琲？紅茶？」



「珈琲で…ブラックの」



「了解」



お互い机で向き合うように座る。

やがて太宰さんによって淹れられた珈琲を目の前に置かれた。
いい香りだ。



「今から君が疑問にすること、なるべく多く答えるよ」




…この夜、全てを知ることができるのか。

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