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「織田作之助、


覚えているかい?」



「!…お兄ちゃんの名前です」



私がきっと幸せだった頃、一緒にいてくれたお兄ちゃん。



「織田作之助は、子供達の仇を取るため敵陣に1人で攻め込み、死んだ。

死ぬ側の言葉を今でも私は覚えている…」



それが太宰さんが探偵社に来るきっかけなんだろう。
その時の太宰さんは悲しそうに、でも何か懐かしむように目を閉じた。



「そしてその日、Aちゃんはポートマフィアに連れ去られてしまった。
君を育てる人がいなくなったからだ」



「…もしかしてお兄ちゃんが私を拾ってくれたのは、一緒に暮らしてくれたのは…」



嫌だ、知りたくない。

でも…知らなきゃいけない。
それが事実。



「森さんからの命令でもある」



…やっぱり。

お兄ちゃんは、ポートマフィアの首領からの命令で私と暮らしていた。
そんな関係に愛などない。
あの楽しさが、嘘のように思えてきた。



「…でも勘違いしないでほしい。
織田作は命令が来なくても君を助けたいと思うはずだ。

そして、命令が解除されても君を匿うだろう。
織田作はそういう男だ」



「……はい」



自分を落ち着かせるように珈琲を一口飲む。
苦い珈琲は私の気持ちを複雑にしていった。

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しのはら(プロフ) - すーぱーぼーろさん» ありがとうございます^ - ^素敵って言われて素直に嬉しいです! (2018年4月21日 21時) (レス) id: e60cfd6252 (このIDを非表示/違反報告)
すーぱーぼーろ - 素敵な話ですね!続きめっちゃ楽しみです 更新頑張ってください (2018年4月20日 18時) (レス) id: 79fe8f3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 通りすがりさん» 間違いの指摘ありがとうございます!…その辺は少しネタバレに関わりますのでなんともいえません。申し訳ないです。 (2018年4月19日 6時) (レス) id: e60cfd6252 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - れんれんさん» ありがとうございます! (2018年4月19日 6時) (レス) id: e60cfd6252 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - 2話から5話まで「婚姻届」が「婚約届」になってますよ〜。 あと5話の、ヒロインが15歳で婚姻届を出したことになってますが…現在の法律上では女性でも16歳にならないと結婚出来ないことになっているので一応そこは法律を守らせといた方がいいんじゃないでしょうか? (2018年4月19日 5時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しのはら | 作成日時:2018年4月16日 19時

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