転生したら金持ちのご令嬢で隣人が中也さんだった話。

取引失敗 ページ14

「手前らその女から離れろ。俺の知人だ」


中也さんが発した言葉に、怖そうな人たちの顔が真っ青になった。

そりゃそうなるわ。
ポートマフィア幹部が取引相手で、そのお方の知人(という設定の私)を売りさばこうとしてたんだからな！



「ん」


中也さんが私の前に手を差し伸べてくれた。
暗闇なのにすごく中也さんが神々しく見えるのは気の所為？

私は無言で手を取り中也さんの後ろに隠れた。



「あの、今回の取引ですが…」


「嗚呼、無しだ。手前らはポートマフィアには入れねぇ」


「な、なぜ！
情報を渡しただろう！？なぜだ！なぜだ！」



あ、これ聞いちゃダメなパターン？
一応両耳を塞いでおく。


「あのゴミカス同然のちっぽけな情報でマフィアに入れると思うか？

手前らは用無しだ。今すぐここから立ち去れ。
俺たちポートマフィアとは関わるな。


わかったか？去らなければ、殺すっていうのもアリだな」



「…っ！


失礼しました」



悔しそうに怖い人たちは去っていった。

もう話は終わったっぽい。



「あ…の。

助けてくれて、ありがとう…ございます」

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