検索窓
今日:20 hit、昨日:67 hit、合計:344,249 hit

103 ページ6

これで良かった。

これでいいんだ


部署の方に戻ろうとしたが苦しくて資料室へと入った。

棚に背中を預け座り込むと自然と少しだけ涙が出た。


怖いけど私はこれが正しいと思う。

彼の夢を彼の努力を水の泡にするのはおかしい。


それに難しい案件も彼が担当しているのだ。
異動となり引き継ぎをしても難しい。


私が足を引っ張るのはダメだ。


ダメなんだよ


耳を塞いで下を向いていると目の前に見慣れた革靴が見えた。


…なんで?


その人はしゃがみこむと私の手に触れて耳から離れさせた。


「どうして」



どうして?


「…っ、阿部さんの

阿部さんの幸せを、守りた…くて」


やっと言葉を出して伝えると彼は小さく首を横に振った。


「A」

「ダメですか?
貴方を、守っちゃダメですか?」


阿部さんの手をキュッと握って目を見て話すと彼は私の頬に触れて1度だけキスをすると直ぐに離れて
私の腕を掴み下を向いた。

「…ごめん。
俺がしっかりしてれば

巻き込まないって決めてたのに。
Aが…俺の傍で笑ってくれたらそれでいいのにって

…課長が君を欲しいって言ったから俺は絶対に渡さないって誰にも渡さないって決めてたのに」


阿部さんはそう呟くと自分の頬をつねっていた。


痛くなると思い彼の手に触れようとしたら止められた。


「こうしないと…悔しくて怒りで
泣きそうになるというか

だから大丈夫」

でも痛そうだよ


しゃがみこむ彼の方に少し近づき彼のスーツの裾を掴んだ。


自然と二人目が合う。


私は彼の頬にキスをするとニコッと笑った。


「阿部さん
私、大丈夫ですよ?

意外と落ち着いてるんです。」


そう伝えると彼は私を抱きしめて背中をリズム良く撫でた。



「A」


「はい」


「…一緒に住まない?」


それは

同棲ということか?


彼から離れてチラッと彼の方を見ると目が合った。


「無理にとは言わないからさ。
プレ同棲で」

「…阿部さん」

「あ、俺がプレ同棲してもいいし。
こう、双方の家にお互い泊まるとか」


「良いですよ?」


「え?」


「私がおかえりなさいって毎日言いますね」



嬉しくて笑顔がこぼれる。

自分の気持ちを伝えると阿部さんは一瞬安堵のようなため息をつくと嬉しそうに私を抱きしめた。


「緊張した。
やった。

急いで仕事終わらして毎日ただいまってダッシュで帰る」

私はその言葉を聞いて笑った。


辛いことがあっても貴方が笑顔なら私は幸せなんですよ。

104→←102



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (800 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5144人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 阿部亮平 , 目黒蓮
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

0812melogappa(プロフ) - 続きが気になります(*ノωノ) (8月23日 14時) (レス) @page32 id: 10543042ed (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - 777さん» コメントありがとうございます!とても光栄です。番外編は今の所考えていませんでしたが考えてみようかなと思います。更新速度が遅いので待たせてしまうことが多いと思いますがこれからも、頑張っていきますね。ありがとうございます! (6月25日 23時) (レス) id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - hirarin1106さん» コメントありがとうございます!そう言ってくださりとても嬉しいです。かっこよく書けているかを毎回不安になりながら何度も確認していますがとても安心しました。更新速度が遅いですがこれからも頑張っていきますね! (6月25日 23時) (レス) @page32 id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
777 - このお話し最高です。好きすぎます。番外編としてで構わないので、この二人の裏のお話も読んでみたいです!意外に嫉妬深くて独占欲が強かったり、ドSに攻めてる阿部くんキュンとします。 (6月21日 2時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
hirarin1106(プロフ) - このお話大好きです。阿部さんがかっこよすぎて胸がギュンってなります🥺これからも更新楽しみにしています。 (6月11日 23時) (レス) id: d2c13454fe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハル春 | 作成日時:2022年4月6日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。