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怖くないよ
柔らかい口調で昨日からの苦しかった感情が溶けていくかのように楽になる。
阿部さんは私の手を引くと「急げ急げー」と言って歩き出した。
真っ暗闇の中手だけは離さず少しずつ進む足取り
「血糊とかリアルだよね」
「…怖いのって嘘ですよね？阿部さん」
「え？なんで？」
「普通…怖かったら叫んだりしますよ」
「えぇ、怖いよ」
ニコニコと笑いながら楽しそうに歩く阿部さんを見て小さく「嘘つき」と呟く。
色んな所から叫び声が聞こえるのでこの声は聞こえないと思ったが
「嘘つきじゃないよ？Aさん」
「…じゃあ、悪い人ですね」
「なんで？！俺何も悪いことしてないよ」
いや、してるか？とか言いながら私の手を引いて歩く阿部さんは私の怖いと思った気持ちも無くしてくれた。
慣れてるなぁ
女性の扱いというか
何考えてるんだろ私
そりゃあね阿部さんは私よりも歳上だし
そういうことぐらいあるよね
あと少しで出口という時目の前からバンっとお化けが登場し私は驚いてしまった。
「、わっ！！？」
「大丈夫大丈夫。
あと少しだよ」
驚いた私を庇うかのように見えないように前に立つとそのまま歩きだした。
手は繋がれたまま
光が差し込む所へと向かうと出口だった。
怖かった。
けど、あっという間だった。
出口を出ると阿部さんは私の方を見て「大丈夫？」と声をかけてきた。
「大丈夫ですよ。
阿部さん楽しかったですか？」
「うん。楽しかった」
ニコッと笑う阿部さん
ホラー系大丈夫な人なのかな？
凄いなぁと思っていたが手だけは繋がれていて今だに左手だけは触れていた。
チラッとその手の方を見ると阿部さんは急いで手を離した。
「嫌だったよね？お化け」
「え？いえ、そんな。
阿部さんがいらっしゃって良かったなぁと思いました」
「それは、良かったかな。
さっき言ったけど俺は最後にするつもりは無いよ。」
「…阿部さん？」
「昨日言われた事は分からないけど
君の事を悪くいう人が居るならその人は見る目が無いなぁって思う」
優しい表情をした阿部さんはそう言いながら私の頬に触れ微笑んだ。
阿部さんは凄い人だな
苦しかったはずなのにこの人と話すと心が落ち着く。
「…ありがとうございます」
自然とこぼれた言葉を聞いて阿部さんは嬉しそうに笑った。
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ハル春(プロフ) - なっちゃんさん» コメントありがとうございます！更新が不定期なので待たせてしまう事が多いと思いますが少しずつ頑張っていきたいと思います！もっと面白い作品にしていこうと思います。 (2021年7月13日 21時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - コメント失礼します。 作品が面白くていつも拝見しています 作者さんのペースで頑張ってください (2021年7月3日 16時) (レス) id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - やまださん» ありがとうございます！更新が不定期ですが頑張っていきたいと思います。もどかしくなるのは確かに分かります。楽しく読んで下さりありがとうございます。これからも頑張っていきますね！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ - コメント失礼します！読んでいてキュンキュンするしもどかしくなるし、とても楽しく読ませてもらってます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: b91da3af14 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ハル春さん» 返信ありがとうございます。まさか私の作品を読んでくださっているとは思わず驚きました。恥ずかしながら私は更新ペースが遅いのですが、応援のお言葉とても嬉しいです。頑張りますね。 (2021年6月26日 13時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年6月9日 6時
