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色々な場所を探しても出てこない
あれは、私が買ったけど選んでくれたのは私ではない。
あれだけは
ゴミ箱の中とかも探しても出てこない
どうしよう
少しずつ手が冷たくなって震えてくる
落ち着こう大丈夫
…大丈夫だよね？
「あら、どうしたの？笹垣さん」
「乙木さん…あの、返して下さい」
「え？」
「返して下さい。ハンカチだけでも」
「ハンカチ？あー、貴方に似合わない絵柄の？
それなら、捨てたようなぁ」
怒りのような感情が沸き上がり声を荒らげようと思ったが間に誰かが入ってきた。
「こら、2人とも今は仕事中だよ」
「阿部先輩、ごめんなさい」
どうしよう
こういう時
この人がどういう人なのか分からない。
何も言えず黙ってしまうと乙木さんが阿部さんに楽しそうに話しかけていた。
やめよう
もう怒るのはやめよう
「…仕事に戻ります」
私はそう言うと席に座って仕事を始めた。
もう無心になるしかなかった。
でも、お昼になるとすぐに他のゴミ箱を確認した。
どこにあるの
他の人が食堂へ行く中1人だけゴミ箱を漁る
お願い
コップは見つからなくてもいいから
ハンカチだけは
「おい、おい！」
無心になって探していたら声をかけられていることに気づかなかった。
横を見ると阿部さんが私の手を掴んで止めていた。
「何してるの？」
「…探し物を」
「無くしたの？」
「……捨てられて」
「ぇ、誰から？」
「…言えない」
声が震えて彼女の名前を言えば良いのに呪いのように言えなかった。
それなのに意思と反して悔しいのか涙は溢れてきて
私は下を向いて掴まれてない方の指で涙を拭いた。
何も言わず涙を拭いていると阿部さんは少ししゃがんでハンカチを私の目元に当ててきた。
「俺のハンカチだけど」
そのハンカチはあの日私が渡したハンカチだった。
どうして、今日なの？
私はハンカチに触れると涙がとめどなく溢れてきて私は顔を隠して泣いた。
泣いていると腕を優しく掴まれ耳元で声がした。
「歩ける？」
コクリと頷くと阿部さんは私をどこかに連れていった。
どこかの部屋に着いたのかドアが閉まる音がした。
その音が消える前に目の前から抱き締められ頭を撫でられた。
「落ち着いたら話してごらん」
「、ごめん、な、さい」
「こら、何で謝るの？」
どうして、そうやって話を聞いてくれるのかな
どうして
こんなにも苦しくなるのかな
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ハル春(プロフ) - なっちゃんさん» コメントありがとうございます！更新が不定期なので待たせてしまう事が多いと思いますが少しずつ頑張っていきたいと思います！もっと面白い作品にしていこうと思います。 (2021年7月13日 21時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - コメント失礼します。 作品が面白くていつも拝見しています 作者さんのペースで頑張ってください (2021年7月3日 16時) (レス) id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - やまださん» ありがとうございます！更新が不定期ですが頑張っていきたいと思います。もどかしくなるのは確かに分かります。楽しく読んで下さりありがとうございます。これからも頑張っていきますね！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ - コメント失礼します！読んでいてキュンキュンするしもどかしくなるし、とても楽しく読ませてもらってます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: b91da3af14 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ハル春さん» 返信ありがとうございます。まさか私の作品を読んでくださっているとは思わず驚きました。恥ずかしながら私は更新ペースが遅いのですが、応援のお言葉とても嬉しいです。頑張りますね。 (2021年6月26日 13時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年6月9日 6時
