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そして誰かが抱きしめてくれた。
…誰
「よかったぁ…居た」
「…阿部さん？」
「ごめん。俺が悪かった。
ごめんね」
頭を撫でる手が焦っていた心を溶かすかのようで私は安心してしまい涙を流してしまった。
静かな資料室に私が泣く声が小さく聞こえる。
「ほんとごめん」
「…、あべ、さん」
「何？」
「なんで、頭を撫でたんです、か？」
そう聞いてみると阿部さんは私の頭から手を離して私の顔を見てきた。
泣き顔だけは見られたくなくて隠そうとしたら阿部さんは「見ないよ」と言って目線を外した。
優しいのかなんなのか
「…自然と手が伸びていた」
？え
「めめがさ先輩達だけ卑怯だって言った時に君を見たら 悲しそうな表情をしていたから
俺、またやらかしたって思って」
あの時
確かに私一人だけ怒られたと思った
チラッと阿部さんの方を見ると左手で顔を隠していた。
「…阿部さん？」
「……乙木さんに言われたって聞いた」
もう知ってたんだ
でもあれは
「乙木さんの件は私がちゃんと言えなかったのが悪いんです。
だから」
その時阿部さんの携帯が鳴った
阿部さんは携帯を見るとふぅっと息を吐いて電話に出た。
「はい」
会社の誰かだと直ぐにわかった
「あと少しで帰ってくるよ。
うん。
笹垣さん？
大丈夫、帰ってくるよ」
申し訳ない気持ちになる
部署に戻ろう
私はこれ以上阿部さんに迷惑をかけられないと思い一度阿部さんに頭を下げるとそのままドアの方へと向かおうとした。
けど、その瞬間肩に手が触れて
抱き寄せられた
…え？
「うん。
じゃあ、きるね」
携帯を着ると携帯は近くの棚に置かれグッと私を抱きしめた。
「…阿部さんあの」
「俺を悪く言ってもいいのに」
「あれは、…あれは」
「俺さ、女の子とか全く分かんないよ。
あざといとか色々言われるけど
器用な男じゃないもん俺」
目黒君が経理の鬼とか
皆色々言うけど
この人は私にも分からない
どんな人なのかも分からない
阿部さんは私から離れると私の頭を撫でた。
「俺が先に帰るから少ししたら帰っておいで」
「え？」
「君が戻ってこれるようにしとくから」
阿部さんはそう言うと資料室の扉を開けて出ていった。
部署に戻ってみると至って皆普通
「ちょうどいい所に頭があったって。
確かにいい所にあるよねー」
どうにかこうにか事は収まったらしい。
いい所に頭があるか。
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ハル春(プロフ) - なっちゃんさん» コメントありがとうございます！更新が不定期なので待たせてしまう事が多いと思いますが少しずつ頑張っていきたいと思います！もっと面白い作品にしていこうと思います。 (2021年7月13日 21時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - コメント失礼します。 作品が面白くていつも拝見しています 作者さんのペースで頑張ってください (2021年7月3日 16時) (レス) id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - やまださん» ありがとうございます！更新が不定期ですが頑張っていきたいと思います。もどかしくなるのは確かに分かります。楽しく読んで下さりありがとうございます。これからも頑張っていきますね！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ - コメント失礼します！読んでいてキュンキュンするしもどかしくなるし、とても楽しく読ませてもらってます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: b91da3af14 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ハル春さん» 返信ありがとうございます。まさか私の作品を読んでくださっているとは思わず驚きました。恥ずかしながら私は更新ペースが遅いのですが、応援のお言葉とても嬉しいです。頑張りますね。 (2021年6月26日 13時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年6月9日 6時
