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挨拶を交した阿部さんは私の姿を見た。
「凄く似合ってるね。可愛い」
こんなに素直に真っ直ぐ言葉を伝えられる人なんだ。
「阿部さんの口から可愛いとは
今日は何かあるんですか？」
「ん？デートなんじゃない？」
阿部さんはデートと答えた。
デートは恥ずかしいな
「阿部さ 「阿部先輩！！」
乙木さんの声が私の声をかき消す。
阿部さんの方を見ると阿部さんは乙木さんの方を向いて「何？」と言った。
「女性にデートって答えるのはダメですよー」
「え？いいじゃん」
乙木さんは阿部さんの横に来ると楽しそうに話す。
…何故かその光景をあまり見たくないと思った。
ハンカチを持ち私はその場をあとにして御手洗に行く。
なんか、複雑な気分
鏡に映る自分は確かにいつもと違う
…いつものスーツや格好で来た方がこんなに苦しまなくて良かったかもな。
鏡の中の自分を見つめた後見つめても何も始まらないと思い普通に部署に戻ろうと御手洗から出た。
「どうしたの？」
「っ、！？」
通路に出た瞬間前から声がしたので顔を上げると阿部さんが困った表情をしてそこに居た。
なんで？
「…御手洗行っただけですよ。安心して下さい」
「大丈夫？」
「大丈夫ですよ。」
私は阿部さんの傍を通り過ぎて部署へと戻った。
普通に仕事をしても乙木さんは「先輩」と呼んで話しかけるし、楽しそうだった。
「いつ付き合うんだろうな。あの二人」
「もしや、阿部さん鈍感？」
「まさかぁ」
周りがコソコソとあの二人はお似合いと話す。
もしかして付き合わない理由は私のせいでは。
今日のお食事に行かなかったら
色んな選択肢が頭の中に過ぎるが、どれもダメだと思ってしまう。
お昼になり皆が食堂や外へ行く中私は食堂に行こうと思い立ち上がった。
「阿部先輩、一緒に食べませんか？お昼」
立ち上がったはずなのに私は直ぐに座った。
お昼一緒に食べましょうって誘ってた。
凄いな
よく誘えるな
食堂に行きにくいな
仕事の資料をパラパラとめくりながら考えていると横の席の椅子から音がした。
チラッと横を見ると朝見たネクタイが見えた
あれ
「ご飯食べないの？」
「お疲れ様です…いえ、なんで」
「朝から元気ないなぁと思って」
元気だよ
凄く
「…ネクタイ、数学の公式ですか？」
「？あれ？気づいた」
「よく見たら公式だなぁと思いまして」
ネクタイを見ていると阿部さんはネクタイを外して私に渡してきた。
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ハル春(プロフ) - なっちゃんさん» コメントありがとうございます！更新が不定期なので待たせてしまう事が多いと思いますが少しずつ頑張っていきたいと思います！もっと面白い作品にしていこうと思います。 (2021年7月13日 21時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - コメント失礼します。 作品が面白くていつも拝見しています 作者さんのペースで頑張ってください (2021年7月3日 16時) (レス) id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - やまださん» ありがとうございます！更新が不定期ですが頑張っていきたいと思います。もどかしくなるのは確かに分かります。楽しく読んで下さりありがとうございます。これからも頑張っていきますね！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ - コメント失礼します！読んでいてキュンキュンするしもどかしくなるし、とても楽しく読ませてもらってます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: b91da3af14 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ハル春さん» 返信ありがとうございます。まさか私の作品を読んでくださっているとは思わず驚きました。恥ずかしながら私は更新ペースが遅いのですが、応援のお言葉とても嬉しいです。頑張りますね。 (2021年6月26日 13時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年6月9日 6時
