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「…それは、ありがとう
帰らないの？」
「……昨日は阿部さんが帰らず残って下さったので
今日はお手伝いしたい…です」
恩返しというかお礼みたいな感じなのだろう
阿部さんはそれを聞くと珈琲の蓋を開けて一口飲んでいた。
「珈琲ありがとう」
「いいえ、それぐらいしか」
「…今度の水曜日か…金曜日に2人だけでご飯行きませんか？」
隣の阿部さんを見ると私の方を見て少しだけ緊張したかのような表情を浮かべていた。
「…良いんですか？」
「うん。俺は笹垣さんと二人で行きたい」
その言葉を聞いて恥ずかしくなり下を向いた。
「嫌だった？」
「いえ、…そんなんじゃなくて
行きたいです」
阿部さんは私の返事を聞くと珈琲を口に含み飲み込んだ。
少しの静寂が流れた後
「和食と洋食どっちがいい？」
「阿部さんが好きなので大丈夫ですよ？」
「じゃあ麺とご飯なら？」
「ふふっ」
「なんで笑うのさ」
「ほんと、私なんでもいいんですよ？
阿部さんと楽しくお話できたら私はそれで十分です」
体育座りをしながら珈琲の蓋を開けようとしたら阿部さんは私の横で携帯を開いて何かを検索していた。
何しているんだろうか
何か調べてるふうに見えるけど
すると、少しして私の方を向くと携帯を見せてきた。
「ここに行きませんか？」
そこにはレトロな雰囲気だが本が沢山置いてある喫茶店が表示されていた。
ご飯あるんだ
珈琲も美味しそう
しかもディナーもあるって書いてある
「俺、いつかここに行きたくて」
「いい雰囲気ですね。私も行きたいです」
「ほんと？じゃあ、ここで大丈夫？」
「はい。しかもご飯美味しそうですよ」
阿部さんの携帯に表示されている喫茶店のサイトを見ていると肩が触れるぐらいの距離に近づき阿部さんが携帯を操作した。
「ここさ、本が沢山あってしかも読むのは無料で自由なんだって」
「凄いですね」
「ご飯も美味しそうだししかも本も読めるとかいいじゃんって思ってたけど一人で行く勇気もなく…って
やっぱ、初めての食事が喫茶店って」
「？私本読みたいです」
「え？」
「メニューにある昔ながらのオムライスとか食べてみたいです」
携帯を片手に阿部さんは少し驚いた表情を見せたが
フワッと笑い「そっか。良かった」と呟いていた。
少しレトロな雰囲気だしそれにこういう所はご飯や珈琲が美味しいとか聞くじゃん。
なんか楽しみだな。
早く水曜日か金曜日になってくれないかな。
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ハル春(プロフ) - なっちゃんさん» コメントありがとうございます！更新が不定期なので待たせてしまう事が多いと思いますが少しずつ頑張っていきたいと思います！もっと面白い作品にしていこうと思います。 (2021年7月13日 21時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - コメント失礼します。 作品が面白くていつも拝見しています 作者さんのペースで頑張ってください (2021年7月3日 16時) (レス) id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - やまださん» ありがとうございます！更新が不定期ですが頑張っていきたいと思います。もどかしくなるのは確かに分かります。楽しく読んで下さりありがとうございます。これからも頑張っていきますね！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ - コメント失礼します！読んでいてキュンキュンするしもどかしくなるし、とても楽しく読ませてもらってます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: b91da3af14 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ハル春さん» 返信ありがとうございます。まさか私の作品を読んでくださっているとは思わず驚きました。恥ずかしながら私は更新ペースが遅いのですが、応援のお言葉とても嬉しいです。頑張りますね。 (2021年6月26日 13時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年6月9日 6時
