三 ページ4
夜になると確かにここは女と男で溢れかえった
普通は花道で男が女を指名するのに
ここではその逆
女が男を指名する
大きな着物を脱ぎ捨てて楽な着物を着て座敷を回っていく
片付けから掃除から
すごく大変なのはわかる
私は髪を軽くゆんで仕事をした。
綺麗に上にあげてはいない髪は下に下ろしていた
歩く度に髪が首にかかる
大変だな
その時赤い紅を唇にひいた髪を上にあげて妖艶な着物を着た女性が私に話しかけてきた
「ねぇ、ちょっと」
「？はい」
「木村さん知らないかしら？」
「木村さん…申し訳ございません。どこにいるかは
あ、すぐに調べてきます」
少しだけ急ぎ足で控え室の方へと行く
ドアを開けると櫻井さんも合わせて数名の男性がそこに居た
「あ、木村さんどこにいるか分かりませんか？」
「えー…分かんないな」
みんな首をかしげて分からないと言った
探すしかないのかな
屋敷の廊下を歩きながらキョロキョロとあたりを見回す
なぜ…あの人は
「どこに行ったんですか」
足も痛いからか弱音を吐いていた
すると後ろから腕を掴まれた
「っ！？」
「そんな歩くと足痛めるよ」
「っ、木村さん！」
男性用の少し大きな着物に腕を通した木村さんがそこにはいた
どこか
美しい雰囲気が流れていた
着物の色は赤
似合ってる
「…その様子じゃ、俺呼ばれてた？」
「お客様が」
「…化粧の派手な女性？」
「はい。美しい女性です」
「そうか……Aさんこれは守ってね
絶対に屋敷の角の部屋、南側の部屋には来ないでね」
「…え」
「耳も目も塞いで…ね？」
優しい声が耳元に残る。
何か密会なのか
分からないけど私は行ってはいけないらしい
だから、私は頷いた
木村さんはそれを見て私の肩に触れてぽそっと呟いた
「ありがとう」
そのまま木村さんは私の横を通り過ぎて行った
何があるのかは分からないが
仕方が無いのだろう
だから、私は聞かなかったことにした
あれは多分一番見てもいけないんだ
黙ってしまおう
お膳を片付けたり廊下のを綺麗にしたり
私は仕事に没頭した。
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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください！！ (2017年8月22日 19時) (
レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
銀 - あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています！ (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます！(゜▼゜＊） (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年6月9日 13時
